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ヒラリーはイラクから何も学んでいない

2014年7月4日(金)14時29分
ジャミル・ブイエ

タカ派の本質は変わらない

 彼女にとって問題となり得るのは──そして実際、これまで問題となってきたのは──民主党、特にリベラル派に受け入れられにくい、あからさまなタカ派姿勢だ。

 11年にクリントンはリビア介入を強く主張したが、民主党支持者の多くは「アメリカがリビアでの戦闘に対処する義務はない」という意見だった。シリア空爆についても、昨年9月の世論調査では、民主党支持者の過半数が反対している。民主党議員の多くもイラク戦費支出の打ち切りを支持している。

 民主党の支持者とエリート層からの絶大な人気を考えれば、彼女が党の大統領選候補になれないとは想像しにくい。影響力と資金力があり、黒人社会に食い込んでいる(民主党の予備選で勝つには不可欠な要素)ライバルがいれば話は別だが、今のところは見当たらない。だがもしそんな対立候補が登場すれば、クリントンにとってタカ派姿勢は思いがけない弱点となる。

 もちろん大統領選について予測するのは時期尚早だ。だがクリントンについては、現時点でも言えることはいくつかある。

 その発言と行動から判断する限り、外交政策に対するクリントンの考えは、イラクとアフガニスタンでの戦争によっても変わらなかった。最低限の路線変更としてイラク戦争の失敗は認めたが、そこから何も学んではいない。大統領に選ばれたらきっと、私たちをイラク戦争の泥沼に引きずり込んだ過ちを再び犯すのだろう。

© 2014, Slate

[2014年7月 8日号掲載]

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