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病気に結婚...バリキャリが直面した4つの「壁」 あの女性重役の履歴書と対処法を公開!

2018年07月26日(木)16時45分
西川彩奈(フランス在住ジャーナリスト)

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カタリナ・ボルヒェルト氏。40代で出身国ドイツからの渡米と、異業種への転職を果たす。(Photo: Nick Leoni Photography)

▼カタリナ・ボルヒェルトの履歴書

7年間のフリーランス時代を経て、大企業での管理職へ。40代で海外転職。
24歳 ジュネーブにある「UN Center for Human Right」で働く。
26~33歳 フリーランスとしてライターやデジタル・コンサルタントの仕事をし、ブログに力を注ぐ。
33歳 「WAZメディア・グループ」に入社。同社の新聞のデジタル版編集長に就任。
37歳 ドイツのニュース・マガジン、「デア・シュピーゲル・オンライン」のCEOに就任。
43歳 現職に就くため、渡米。

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ドイツのカンフェレンスでスピーカーとして登壇したカタリナ・ボルヒェルト氏。(Photo:dmexco)

壁1:毎日のルーチン化

解決策:仕事がルーチンに感じたら、去り際。安定の領域から飛び出すことで、大きな成長と幸せが待っている

「前職のドイツ紙『デア・シュピーゲル・オンライン』では職場環境は大好きだったが、6年働いた後、仕事はルーチン化し、成長が感じられなくなった。過去の経験から、私は『自分の居心地のいい領域から離れ、大きな挑戦をしている状態』を幸せに感じる人間だと知っていた。

友達、家族と離れ、安定した仕事を去るという決意には、長い時間を要したが、『Mozilla』で働くために米国に渡り、人生が180度変わった。役職、会社、業界、言語、文化、一気に何もかもが新しい状況の中で挑戦したことは、短期間で多くを学び、成長することができ、幸せに感じている」

壁2:結婚・出産

解決策:育休制度など、雇用先のサポートを徹底確認する

「私は結婚も出産もしたことがない。この人!という男性に出会わなかったからだ。生まれ育ったドイツ社会は、母であることへの社会的なプレッシャーがいまだにある。だから、部下の要望に応じ、キャリアアップと家庭が両立できるようサポートしてきた。

例えば、過去に働いていた『デア・シュピーゲル・オンライン』では、リーダーの役職をパート制にしてシェア化することをスタッフに勧めた。現在働いている『Mozilla』では、リモートワーク(在宅勤務)を支援している。このように、働きやすい会社を選ぶことが大切だ。

出産を考える女性には、会社の育休制度を見極め、先輩の経験を聞くなど、雇用先のサポートを徹底確認することを勧める」


壁3:職場の人間関係

解決策:難しくても、相手の状況を理解しようと努める

「まず感情に任せて怒る前に、同僚の状況を想像し、相手を理解しようと努めてきた。相手の行動を変えることはできないけど、自分自身の行動で相手に影響を与えることはできる。そして間接的にでも相手と会話をしようとすることで、状況は改善される。人事部に仲を取り持ってもらうことで、私の場合過去に成功した」

壁4:自信を失う

解決策:周囲にサポートを求める

「みんな自信喪失し、いい仕事ができないときはある。特に、私はインポスター症候群(自分の成功や能力を認めることができない傾向のこと)の状態にある。そして、友達、家族、信頼できる同僚など、励ましてくれる人のサポートが大切だ。最終手段は、朝起きて、深呼吸し、恐れて、とにかく挑むこと!」

カタリナ・ボルヒェルト氏のキャリアアップを支えるもの

「読書は私にとって、一番大切。そして遠くへ、できる限り多く旅をすること。感動を得て、新しいアイデアを得ることが大事。そして、すべての出会いから新しい何かを学びだすこと」


ayananishikawa-01.jpg[執筆者]
西川彩奈
フランス在住ジャーナリスト。1988年、大阪生まれ。2014年よりフランスを拠点に、欧州社会のレポートやインタビュー記事の執筆活動に携わる。過去には、アラブ首長国連邦とイタリアに在住した経験があり、中東、欧州の各地を旅して現地社会への知見を深めることが趣味。女性のキャリアなどについて、女性誌『コスモポリタン』などに寄稿。パリ政治学院の生徒が運営する難民支援グループに所属し、ヨーロッパの難民問題に関する取材プロジェクトなども行う。日仏プレス協会(Association de Presse France-Japon)のメンバー。
Ayana.nishikawa@gmail.com

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