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ヘルス

子供は連れてこない方がいい? 罵り、奇声をあげる「怒りのヨガ」とは

2019年03月29日(金)15時00分
寺町幸枝

    Let out all that stress with 'Rage Yoga' kohu.com/YouTubeより

    <既存のヨガとはイメージが異なる、怒りや不安といったネガティブな感情を吐き出すためのヨガが注目されている>

    米インサイダーの記事によると、米国テキサス州ヒューストンで、「レイジヨガ(怒りのヨガ)」が話題になっているという。ヨガといえば、瞑想や平和的なものを連想するが、このレイジヨガは、体の中に溜め込んだフラストレーションを健康のために吐き出すことを目的としたヨガだという。

    きっかけは創設者自身のヨガ経験

    レイジヨガの創設者であるカナダ人のリンジー・イスターシは、一般的なヨガレッスンでの静寂な時間や落ち着いた環境に、ある時「まるで大勢の体操選手たちと一緒に、図書館にいるみたい」な違和感を覚えたという。

    そして彼女のようにいわゆる一般的に認知されるレッスン方法とは違ったヨガの形を好む人がいるのではと考えたところから、このレイジヨガは生まれた。

    心と体を一致させ、気持ちを落ち着かせたり、体が気持ちいいと感じるエクササイズを提供すること自体はヨガの基本通りだが、レイジヨガの特徴はヨガに対する心構えにある。それは「アンチ禅」という姿勢で、フラストレーションを積極的に吐き出すイメージでヨガを行う。ヨガのポーズを取る際に、大声を出したり、罵ったり、奇声をあげることも厭わないというものだ。

    レッスン中のバックグラウンドの音楽はガンガンのロックのことが多い。さらに休憩時間にはビールまたは他のアルコールを飲む。既存のヨガのイメージを覆す、そうした斜に構えたヨガへのアプローチがレイジヨガだという。

    クラスでのレッスンには一般的なヨガの動作が用いられ、レイジヨガのインストラクターたちはいずれも200時間のヨガティーチャートレーニングの認定資格を取得済みのインストラクターだ。その上で、イスターシによる独特の考え方や、彼女がつくり出した手足の動き、レッスンの構成などを学んだ人たちである。現在、カナダのカルガリーとエドモントン、そして米国テキサス州ヒューストンにてクラスが開講されている。

    ビールブレイクのあるヨガレッスン

    「このクラスは誰にでも向いているものではありません。それでいいのです」とは、テキサス州ヒューストンでクラスを受け持つ、インストラクターのアシュリー・ドゥジッチの言葉。何よりも体中に溜まっている怒りや不安といったネガティブな感情を、健康的に解放することがレッスンの目的だと語る。

    レッスン中は、罵ったり、大きな奇声をあげることもあるという。「あなたがお皿洗ってよ!という言葉をレッスン中に聞いたことがあったけれど、多分今までで一番笑える罵り声だったかも」とドゥジッチ。誰もがイラッとした時に口にしてしまうような言葉をオープンに叫ぶ。ただし声出しはドゥジッチのクラスでの特徴のようだ。

    また、ドゥジッチのクラスが開講されているのはなんとクラフトビールのブリュワリー。毎週金曜日のレッスンには、「ビールブレイク」があるという。米シェイプマガジンの記事によると、ビールは水と同じように水分補給になることが分かっており、休憩中のビールは理に適うと考えているそうだ。その上、アルコールを体に入れることでより喜怒哀楽をリラックスして表現しやすくなる。体の中に貯めた感情を吐き出すことが目的のひとつなので、アルコールは助けになるという考えのようだ。

    キックスターターで資金調達

    現在、クラスが受講できるのは、カナダと米国の一部の地域に限られているものの、オンラインプログラムによってレイジヨガは世界に広がりつつあるという。カナダや米国のメディアなどで話題になり始めた2016年春、創設者のイスターシはファンディングプラットフォームのキックスターターを通じて資金集めに成功し、オンラインプログラムを開設した。

    目標額の3倍の資金を集めて始まったオンラインプログラムは、6週間のプログラムで毎週2本以上のレッスンビデオが提供される。2種類あるプログラムのひとつは柔軟性を身につけることに注力した「BENDY&BADASS」、もうひとつは中級者向けのバランスを鍛える「Ferocious Foundations」だ。現在はレイジヨガのサイトを通じて、90ドル(約1万円)で受講が可能だ。

    実際のクラスには「子供は連れてこない方がいい」と語るインストラクターの言葉がレイジヨガの内容を表している。ヨガのダイバーシティを考えたらこのような話題性のある、ユニークなプログラムの存在がより多くの人にヨガを楽しむきっかけを生むことは間違いない。

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