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寝かしつけの方法に「正解」はある? 赤ちゃんの睡眠の秘密を知ろう

All Through the Night

2019年04月19日(金)12時00分
デボラ・ホジソン

長い歴史の中で、千差万別な赤ちゃんの眠りを改善する手段といえば大抵、単純なものだった。日中は活発に外で遊ばせ、夜には母乳で寝付かせて母親の横に添い寝させる。それが現代化に伴い、特に欧米社会では赤ちゃんを両親とは別の部屋に一人で寝かせる風潮が広がった。

だがこの習慣は赤ちゃんにとっては非常に不自然な状態だと、米インディアナ州で睡眠研究所を運営する人類学者のジェームズ・マッケナは主張する。「赤ちゃんには文化的な決まり事など分からない。彼らは脳の25%しか発達していない状態で生まれてくる。親のそばにいることで、心拍や血圧、体温、呼吸を安定させられる」と、彼は言う。

その点、2人目以降の子供は恵まれているかもしれない。育児の手間を考えて添い寝になることが多いからだ。理学療法士のルス・ミーニーも、必要に迫られて第二子のアレックスを添い寝にした。帝王切開の後で授乳のために起き上がるのがおっくうだったし、アレックスがしょっちゅうぐずったからだ。

第一子のイーデンを泣かせっ放しにして自力で寝付かせようとし、心を痛めたのとは正反対だと、彼女は振り返る。イーデンのときだって添い寝は問題ないと分かっていればよかったのに──そう考えるうち、彼女は気付いた。

「1人目の子は、何か問題があるとまるでそれが永遠に続くように感じられ、劇的な改善策を取らなければと考えてしまう。でも2人目になると、こう思えるようになる。何か変わるかもしれないから、まあ、1週間様子を見てみましょう、って」

親はそのくらいの心構えが必要かもしれない。どの赤ちゃんだって、疲れたら確実に寝るのだから。

<ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE「0歳からの教育 学習編」掲載>

※詳しくはニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE 「0歳からの教育 学習編」をご覧ください。

【シリーズ既刊】
「0歳からの教育 発達編」
「0歳からの教育 知育編」
「0歳からの教育 育児編」

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