BMIは正常でもウエスト89センチ以上の女性は要注意! 重大な疾病のリスク増
(写真はイメージ)baona-iStock
<BMIから標準体重、美容体重、さらに最近はシンデレラ体重とされる定義を指標にして体型のことを気にしてしまう女性は多いが......>
女性が早死にするリスクは、肥満度指数(BMI)よりもウエストのサイズに大きく影響される――。BMIの数値が正常範囲でも、腹囲径が大きい女性は心臓疾患やがんに罹患する割合が高いことが分かった。
米アイオワ大学公衆衛生学部で疫学を専攻するウェイ・バオ教授は、肥満が心臓疾患やがんなど命に関わる疾病につながる可能性を判断する上で、医師はBMIだけを参考にするのではなく、まず腹囲径に留意すべきと提言。「深刻な疾病を発症する危険性は、BMIよりも腹囲径に影響される」と警告した。
バオ教授らは、2017年までの24年間にわたって15万6000人を超える閉経後の女性(50~79歳)を追跡調査した。
米医師協会(American Medical Association)が発行する医学雑誌「Jama Network Open」に掲載した結果報告書によると、「BMIの数値は正常(18.5-24.9)でも、ウエストが標準(35インチ=約89センチ)を上回る女性」が重大な疾患に罹患する割合は、平均値よりも31%も高いことが判明。「BMIの数値が肥満(30以上)で、腹囲径が標準以上の女性」よりも罹患率がわずかに高いことも分かった。
バオ教授は「BMIの数値が適正な女性は、臨床現場でも、肥満状態ではなく、健康的に問題がないと判断されるケースが多い。この診断が重大な疾患を見落とす原因にもなっている」と指摘。つまり、BMIの数値を基準に標準体型だから健康体だと安心しきるのは危険だということ。ウェストサイズという観点から、自分の体型を見つめ直す必要がある。
脂肪と筋肉量の割合も要注意
さらにBMIの数値だけから健康を判断するには危険がある。そもそもBMIは、体重と身長から算出されたもので、身体の脂肪量と筋肉量は加味されない。