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普通家庭の子どもを「国産バイリンガル」に育てるベストな方法は?

2021年02月09日(火)19時00分
船津徹

写真はイメージ recep-bg-iStock

<日本で子どもの英語力を上げるには、少なくとも小学校時代を通しインターナショナルスクールに通うことが望ましいが、実現できるのはごく一部。普通の家庭に育つ子が日本語力を犠牲にせずに高度な英語力を獲得する方法を紹介します>

子どもの英語教育は何歳から、どのような方法でスタートするのがベストなのでしょうか?「英語教育は早ければ早いほど良い」「幼児教育の臨界期は6歳だ」「言語習得の臨界期は12歳だ」など諸説あり、親たちを惑わせています。

私は日米で25年以上子どもの英語教育に携わってきましたが、大切なのは始める年齢よりも「英語のどの技能を学ぶか」です。未だ日本では「英会話信仰」が根強いですが、日本のように日常的に英語を話さない環境では英会話を通して英語を身につけることは現実的ではありません。

日本では英会話力を維持できない

年齢の小さい子どもほど英会話を短期間で身につけることができるのは事実です。これが多くの親を英会話へと掻き立てています。頭が柔らかい子ども時代に英会話を習わせれば、効率良く英語が身につくように思えるのです。

しかし乳幼児期に身につけた英会話力というのは、日常的に英語を話す環境がなければ、次第に失われていき、最悪の場合、すっかりなくなってしまうのです。

私の友人に0歳〜6歳までアメリカで過ごした人がいます。2歳から現地のプリスクールに通い、4歳の頃には英語ペラペラに育ちました。その時は「自分はアメリカ人だ」と思っていたそうです。

ところが6歳で日本に戻り、日本の小学校に通い始めたら、あれだけ得意だった英語をすっかり忘れてしまった!というのです。この友人は今大人ですが、残念ながら子どもの頃のように流暢に英語を話すことはできません。

同じように日本国内で英語保育を行うプリスクールやキンダーガーテンに通い、ある程度の英会話力が身についても、子どもが日本語の小学校に通うようになると、英会話力はあっという間に衰えてしまうのです。

日本で子どもの英会話力を維持・向上させるには、少なくとも小学校時代を通してインターナショナルスクールに通い、毎日英語でコミュニケーションをとり、英語で教科学習を受ける以外に良い方法が見当たりません。

これが実現できるのはごく一部の家庭であることはもちろん、両親にも教科学習サポートできる英語力が要求されます。さらにインターに通わせることで日本語の発達が親の責任になりますので、子どもの大学進学や就職、さらにアイデンティティ形成までを見越した慎重な判断が求められます。

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