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企画に行き詰まったら「オズボーンのチェックリスト」を

2017年4月5日(水)20時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 オズボーンのチェックリストは全部で9カ条

 ◆転用したら? 現在のままでの新しい使い道は?
 ◆応用したら? 似たものはないか? 真似はできないか?
 ◆変更したら? 意味、色、動きや臭い、形を変えたらどうなる?
 ◆拡大したら? 大きくする、長くする、頻度を増やす、時間を延ばすとどうなる?
 ◆縮小したら? 小さくする、短くする、軽くする、圧縮する、短時間にするとどうなる?
 ◆代用したら? 代わりになる人や物は? 材料、場所などを代えられないか?
 ◆置換したら? 入れ替えたら、順番を変えたらどうなる?
 ◆逆転したら? 逆さまにしたら? 上下左右・役割を反対にしたら?
 ◆結合したら? 合体、混ぜる、合わせたらどうなる?

 アイデアを生み出すための要素の組み合わせ方に関して、基本パターンを問いかける形でまとめています。問いかけの形になっているところがいいですね。おしゃべり感覚で試してみましょう。それぞれの問いかけへの答えをビジュアルで想像してみてください。手元に紙とペンがあれば、ぜひ落書きしてください。確かに新しい何かがそこに生まれましたね? それ、メモっておいてください。

 転用したら......?
 拡大すると......?
 素材を変えてみると......?

 気がついたら興が乗ってきますよ。教科書的に全部の項目に答える必要はこれまで同様もちろんありません。ダメそうだったらパスして次の問いに行ってください。どれから始めるか、も自由自在。順番はありません。

 あるいは今まで気がつかなかった方向性を求めて、あえてすべての問いに答えてみるのも面白いですね。自分の頭に隠れていた新しいアイデアを発見してください。

 繰り返すうちに、組み合わせるパターンをいつの間にか覚えます。ある情報やアイデアのヒントを、ああでもないこうでもないとやりくりして考えられるようになります。一つの事象をいろんな角度から見ることができるようになります。

 同じ情報源からアイデアが生まれる可能性を何倍にでもできるわけですから、これは強力な武器。正確に暗記して上から順番に厳格にやるかどうかは、個人のお好み。わたし自身は困ったときの辞書代わりに使っています。

 すでにお分かりのように、アイデアの作り方、その手法はいたってシンプルなんです。今も昔も変わらない。違うのはその方程式に入れるデータ。データは時代や環境に応じていつも新しく変わっていきます。だからこそアイデアが尽きる、ということはありえません。いま世の中にあるものが絶対的な正解でないことも明らかです。

【参考記事】「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とヤングは言った

 現実の仕事は、あなたのアイデアをいつも待っています。ニュートンとかエジソンのような、社会をまるっきり変えてしまうようなアイデアには程遠くてもいいじゃないですか。

 まずは身近な生活や日常的な業務を変えるアイデアを。そしていつしか、会社全体や世の中に影響を与えるアイデアを生み出せばいいんです!

※第5回:「思いついたアイデアはメモすべし」には理由がある


『考具』
 加藤昌治 著
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『アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編』
 加藤昌治 著
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『チームで考える「アイデア会議」 考具 応用編』
 加藤昌治 著
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