最新記事

外交

初外遊の憂鬱、トランプはアメリカ料理しか食べられない!

2017年5月19日(金)18時09分
ティム・マーチン

ryouri170519.jpg
ひよこ豆のコロッケ、ファラフェル。イスラエルのネタニヤフ大統領の好物だ zefirchik06-iStock.

そう考えると、今回の外遊はトランプにとってまさに悪夢だ。外国や異文化の料理を食べられるなんてうらやましいと思う人も中にはいるだろうが、トランプはいつもの食事にありつけないと癇癪を起こすほどこだわる男。外遊先の食事はさぞかし憂鬱だろう。

それでも、サウジアラビアでは晩餐会、イスラエルではベンヤミン・ネタニヤフ首相と私的な夕食会、フランスのエマニュエル・マクロン新大統領とはワーキングランチ、NATO(北大西洋条約機構)首脳らとは夕食会、そして最後にイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との会食をこなさなければならない。

どの会食でもマクドナルドのハンバーガーは出そうにない。例えばネタニヤフはファラフェル(ひよこ豆で作ったコロッケのような中東の食べ物)専門店の常連で、たっぷりのフムス(ひよこ豆ペースト)と激辛ソースを挟んだサンドイッチを好んで注文する。イスラエルの日刊紙エルサレム・ポストがランク付けした本場イスラエル料理トップ5のうち、トランプが普段食べているものに近いのは、パンなどに挟んで食べる肉料理で中東のハンバーガーとも呼ばれる「ケバブ」のみだ。

メラニアの「手料理」なら

もっと苦労しそうなのは、サウジアラビアだ。かつてサウジ王室の晩餐会に出席したイギリスのチャールズ皇太子は、ラクダの丸焼きでもてなされた。

バラク・オバマ前米大統領は在任中、フランスのフランソワ・オランド前大統領とのワーキングランチで、ロブスターのフリカッセ(クリーム煮)とイタリアのアルバ産白トリュフ入りラビオリが有名なレストランに招かれた。マクロンもそのスタイルでもてなすつもりなら、トランプが行くレストランには、チキンフィンガーのようなお子様メニューはなさそう。

トランプがわずかでも食事を楽しむチャンスがあるとすれば、イタリアだろう。トランプはかつてメラニア夫人について、イタリア料理にヒントを得た独創的な料理を作れると称賛したことがある。「メラニアは想像力が豊かだ」とトランプは言った。「スパゲッティもミートソースも手作りをする」

メラニアはシチリア島に先回りして、シェフに夫の好みのレシピを教えたほうがいいかもしれない。

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中