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人権問題

キム・ギドク監督だけでない! 韓国の女優ら、撮影現場の暴力を告発

2017年8月25日(金)07時00分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)



■キム・ギドク監督「うつせみ」予告編 LookEastFilmFestival / YouTube

特に今でもよく覚えているのが、当時監督はゴルフを習っているという話をよくしていて、その後に制作されたのが映画「うつせみ」だった。この作品にはゴルフがモチーフとしてよく登場し、特に「3番アイアン」についてのエピソードがよく登場するが(映画の英語タイトルは、その名も「3-Iron」である)、授業中にも3番アイアンを使いこなすのが難しいとよく話していた。次の映画についての構成や、今何に興味があるからこういうモチーフにしたいという意見を、学生にも関係なく誰彼構わず共有する姿が印象的だった。卒業後、映画祭の出張先で会うことがあると、先に監督の方から見つけて名前を呼び掛けてくれる気さくな監督だった。

そんなキム・ギドク監督は、今回の告訴についてどう反応しているのだろうか。8月3日キム・ギドクフィルムは報道資料を通じてマスコミに次のような文書を発表した。


この2013年「メビウス」の撮影中に発生したことについては簡単な説明が必要だ。

この女優Aに対しては、海外受賞後監督の知名度が上がった後、出演したいと打診があり、2004年ベルリン国際映画祭にて銀熊賞受賞後にさらに起用を申し込まれた。2005年「絶対の愛」で2人の女優のうち1人としてキャスティングしたが、役が気に入らないと断られた。さらに2012年ベルリン国際映画祭で今度は金獅子賞を受賞した後、再度出演を打診され「メビウス」の母親役にキャスティングしたが、撮影2日目終了時点で一方的に連絡を絶たれ、3日目撮影現場に姿を現さなかったので、プロデューサーが自宅近くに出向いて何度も連絡をしたが結局現場に来なかったため、最終的に予算の関係上、他の俳優を一人二役にシナリオを急きょ書き換えてなんとか撮影を終了した。
「メビウス」自体4年前の作品であるため記憶が確かではないが、演出上の指導のため頬を殴ったことに対しては認め、自分の過ちに対して責任を負いたい。暴力以外の部分はシナリオ上にあるシーンを演出家の立場で最善を尽くす過程で生じた誤解だ。
ともかくそのことで傷を受けたその俳優に心から申し訳なく思っている。

最後に今回のことで本当にレベルの高い映画を作る韓国映画のスタッフと俳優については誤解がないことを願いながら、私を信じて今度の新作に参加してくれたスタッフ、俳優たちにとても申し訳なく思っている。


すでに4年前の出来事であり、暴力等はあってはならないが、この発表で少なからず女優Aにも問題があったのではないかという見方が強まった。よくある女優の売名行為として収まるかと思われたこの事件だが、その後さらにことが大きくなっていく。

【参考記事】朴大統領の人事介入から口裂け女まで 検閲だらけの韓国映画界
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