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「日本のメスザルは性的意図でシカ相手に疑似交尾」=レスブリッジ大学研究

2017年12月18日(月)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

動画後半にはいつものパートナーのシカに近づく別のサルを追い払う様子も Jean-Baptiste Leca/YouTube

「初めての性的な刺激を経験するかもしれない」

米ナショナルジオグラフィック誌によると、動物の10%に異種同士の交配(ハイブリダイズ)が確認されているという。しかしこの行為は解剖学的に似ている動物で一般的な話。今年1月のレポートによると異種間の交尾は、2014年にペンギンとの交尾を試みるオットセイの例が確認されているが、箕面のサルのようなケースはほぼない。1月に研究を発表したフランス・ストラスブール大学のセドリック・シュエール博士も「「密接に関連していない種との異種間の性的相互作用は非常に稀」と指摘している。

研究者らは箕面のメスザルがシカを追う理由をいくつか挙げている。ひとつは、若いメスザルが実際にオスザルとの交尾に備えて練習しているという可能性だ。英ガーディアン紙によると、メスザルは大人のオスザルから交尾を拒絶されることが多く、パートナー探しが難航する。また、身体の小さいメスザルにとっては体の大きいオスザルとの交尾は危険なものでもある。グンストは「若いメスザルはシカを相手にしたこの行為で、初めての性的な刺激を経験するかもしれない」と考えている。

箕面での「サルとシカの交尾」がどれくらい長い間続いているのかは不明だし、最近始まったばかりの突発的な独特なものかもしれない。ただ、この地域での観察を続ければ「文化的に維持される現象の始まりを示す」貴重な証拠となる可能性を研究者らは指摘している。


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