最新記事

「世界の終わりだ」 KFCのチキンが消えてパニックになった原因は...

2018年2月19日(月)16時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

SNSに溢れる怒りの声

フライドチキン屋でフライドチキンがなくなる事態に、多くの人々が呆れ、怒りをあらわにしている。ある客はこの状況を「世界の終わり」と冗談交じりに嘆いた。

KFCはSNSで噴出する怒りに専用窓口で対応している。「ブラッドフォードのグリーンゲーツ店が閉まっているのはなぜですか? 子供との約束を守るために、それから20分も運転し(他の店舗に行かなければならなかった)ました」というツイートに対し、こう返信した。

「こんにちは。私たちは店舗に新鮮なチキンを届けていますが、残念なことに今日は配送に問題がありました。我々はすべてのメニューが揃わない状態で営業することには消極的です。大変申し訳ありませんが、カーネル・サンダースは解決のために努力しております」

行ける限りのKFCに行って、その全部が休業だったことにショックを受けた客もいた。「これは納得できない。理由を教えて」とツイッターに投稿。KFCの広報は、「我々は品質に妥協することはありません。そのため、イギリス国内の一部店舗を閉鎖、メニュー数を減らしたり、週末の営業時間を短縮するなどの対応を取っています」と説明した。

KFCのチキンは、多くの人を魅了してやまない。有名なところでは、ドナルド・トランプ米大統領。元部下が執筆した暴露本『Let Trump Be Trump』(トランプにはトランプらしくやらせておけ)には、ケンタッキーが、トランプの乗る飛行機の機内食に常備された『4大食品群』の一角を構成していたと書かれている。

これほどまでに、人々を惹きつけるフライドチキン。秘伝の11種類のハーブとスパイスで味付けされているというが、「中毒性」という名のスパイスも配合されていそうだ。

【参考記事】ビッグマック×2、フィレオフィッシュ×2、チョコレートシェイク! トランプの定番は2420キロカロリー

ケンタッキー、去年もやらかしていた

KFCはつい先日にも炎上騒ぎを起こしている。今回のようなチキンの品切れではなく、広告に関するもの。2月1日付けの英テレグラフで、「2017年に視聴者を最も不愉快にさせたCMランキング」でKFCがトップだったと報じられた。

イギリスの広告基準協議会(ASA)が発表したこのランキング。問題となったKFCのCMは、主役の鶏がノリの良い音楽に合わせてダンスしながら、自ら屠殺場に向かうというもの。

ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)に不快感を与え、子供にもよくない。何よりも「鶏に失礼」だとして、寄せられた苦情の数は755件にも達した。

悪い話だけじゃなく、カナダのKFCでは1月からビットコイン決済を可能にするなど、ポジティブなニュースもある。それでも今回のチキンの配送ミスは致命的だろう。チキンを取ったらただのケンタッキー。チキンがなければ何も始まらない。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

2日に3兆円超規模の円買い介入の可能性、7日当預予

ワールド

OECD、英成長率予想引き下げ 来年はG7中最下位

ビジネス

海運マースク、第1四半期利益が予想上回る 通期予想

ビジネス

アングル:中国EC大手シーイン、有名ブランド誘致で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中