最新記事

スキャンダル

オーストラリア政権に亀裂 不倫問題の副首相が辞任拒否し首相と対立

2018年2月16日(金)20時09分

2月16日、オーストラリアのジョイス副首相は、元スタッフ女性との不倫問題を巡るターンブル首相の言動は「不適切だ」と批判した。写真は国会で記者会見に応じる同副首相。キャンベラで撮影(2018年 ロイター)

オーストラリアのジョイス副首相は16日、元スタッフの女性との不倫問題を巡って辞任することを拒否するとともに、自身の行為に関するターンブル首相の発言は「不適切だ」と批判した。

連立政権内の亀裂があらわになった格好だ。

ターンブル氏は前日の記者会見で、ジョイス氏が元広報担当の女性と不倫関係となり、女性が妊娠していることについて「ジョイス氏は衝撃的な判断の誤りを犯した」と述べた上で、「閣僚が自分達のために働いてくれる人と性的関係を持つことは受け入れられない」と説明した。

ターンブル氏はまた、ジョイス氏に対して自身の立場を考慮するよう求めていた。

ターンブル氏の発言は国民党党首でもあるジョイス氏に副首相辞任を事実上求めたものとみられていたが、ジョイス氏は16日、同僚の支持を得ていると発言。キャンベラで記者団に対し、「きのうの記者会見での首相発言は、さらなる害を引き起こす」と批判した。

ターンブル氏はこうした批判についてコメントを避けたものの、ジョイス副首相を解任するよう求める圧力が強まっている。ただ、連立政権はわずか1議席差で辛うじて議会の過半数を維持しているにすぎず、ジョイス氏が議員辞職すれば連立政権がリスクにさらされることになる。

議会は15日、不倫問題でジョイス氏が閣僚としての行動規範に違反したとし、辞任を求める動議を可決した。

野党・労働党のショーテン党首は「この政権は危機にある。首相と副首相が敵対しており、この危機が続くことは容認できない。ターンブル氏は内閣からジョイス副首相を追い出さなければならない」と述べた。

[シドニー 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中