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AIデータ検索が見つける難病治療薬

2018年3月14日(水)17時00分
ケビン・メイニー(本誌テクノロジー・コラム二スト)

IDゲノミクスという会社は、どの微生物にどの抗生物質が有効かを機械学習で明らかにすることを目指す。狙いは、患者がより少ない薬でより早く回復できるようにすることだ。

チャンは、ソフトウエアと高性能コンピューターを駆使した新世代の製薬企業が台頭すると予測する。金融大手モルガン・スタンレーの最近のリポートによると、新薬開発のデジタル化が実現すれば、承認される新薬1件当たりの費用を平均3億3000万ドル削減できるという。

製薬大手もこの潮流に加わらざるを得ないと、リポートの執筆者の1人であるリッキー・ゴールドワッサーは指摘する。デジタル時代への移行に乗り遅れた企業にどのような運命が待っているかは、ほかの分野を見れば明らかだ。百貨店大手シアーズは、オンラインショッピングの普及に対応できず、売り上げの激減に見舞われて深刻な苦境に立たされている。

デジタル化により薬品の価格が下がれば、私たちが被る恩恵は大きい。しかし、それだけではない。もしAIがアルツハイマー病のような病気の治療法を突き止められれば、その恩恵はもっと大きい。

ネット検索のテクノロジーが進化して、グーグルが「家のカギはどこに置いたんだっけ?」という問いに答えてくれるようになるのも、悪くはない。しかし、物忘れの原因になるアルツハイマー病を治療できるようになるほうが、はるかに素晴らしい未来と言えるだろう。

本誌2018年2月20日号:特集「AI新局面」から転載

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