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貿易戦争米国の対中関税はオートバイや電子部品など約1300品目、年間5兆3000億円に
4月3日、米通商代表部(USTR)は、中国からの輸入品に対する25%の追加関税について、対象が約1300品目に上り、年間500億ドル程度に相当することを明らかにした。写真は米国と中国の国旗、北京で2014年7月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)
米通商代表部(USTR)は3日、中国からの輸入品に対する25%の追加関税について、対象が約1300品目に上り、年間500億ドル程度に相当することを明らかにした。
産業技術、輸送関連の製品と医療用品など主に消費財以外の輸入品が標的となる。具体的には化学薬品やテレビ、自動車、電子部品など。追加関税は中国の知的財産権侵害に対抗する措置として決定した。
品目リストの公表を受け、意見公募を開始、約2カ月間の調査期間に入る。USTRはその後に対象品目を「最終決定」する。5月15日には対中関税に関する公聴会を開催する。
リストには、携帯電話やラップトップといった消費者向け電子機器の多くや衣類と靴は含まれなかった。ただ、薄型テレビやLED(発光ダイオード)などの電子部品、オートバイと電気自動車(EV)を含む自動車、航空機部品、電気装置は対象となった。
ライトハイザーUSTR代表はこれまで、中国の輸出業者に最大限の打撃を与えながらも米消費者への悪影響を抑えられる製品群を選び出すアルゴリズムを使ってリストが作成されるとの見通しを示していた。
USTRは、追加関税は「米企業に対し、中国企業への技術・知財の移転を強要する中国の政策に対応」して提案したと説明。このような政策は、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」などの製造業振興策を通じて先端技術で世界の強国を目指す取り組みを後押ししていると指摘した。
中国側はこれまで、国内法が技術移転を強要している事実はないと反論し、米国による追加関税には報復措置で応じる構えを示している。報復関税は大豆や航空機、重機を標的とする可能性があり、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念が強まっている。
USTRの当局者は、米国の追加関税は「中国製造2025」を含む製造業振興策の恩恵を受けている製品を標的にしたと説明。2025政策では、先進情報技術(IT)、ロボット、航空機、新エネルギー車、医薬品、発電設備、先端材料、農業機械、造船・船舶工学、高度な鉄道設備の10分野において、輸入品を中国製品に入れ替えることを目指している。
全米製造業者協会のジェイ・シモンズ会長は声明で「関税は対応策の1つだが、製造業者と米消費者への大幅なコスト増になるという意味で、新たな課題を生じさせる公算が大きい」と指摘し、関税の効果に懐疑的な見方を示した。