最新記事

スキャンダル

財務省のセクハラ問題、調査方法の撤回求める署名2日で3万5千筆に

2018年4月19日(木)19時00分

4月19日、財務省の福田淳一事務次官の女性記者に対するセクハラ疑惑で、財務省が調査のため被害女性に名乗り出るよう求めているのは被害者の人権に配慮のない対応であるとし、弁護士5人が、財務省に調査方法の撤回を求める署名を同省に手渡した。写真は財務省、2011年8月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

財務省の福田淳一事務次官の女性記者に対するセクハラ疑惑で、財務省が調査のため被害女性に名乗り出るよう求めているのは被害者の人権に配慮のない対応であるとし、弁護士5人が19日、財務省に調査方法の撤回を求める署名を同省に手渡した。

会見した太田啓子弁護士らによると、ネット上での署名の呼びかけは17日午後5時ごろに開始され、19日までに3万5000を超える署名が集まったという。

内山宙弁護士は「これほど早いネット署名の伸びはあまり例がない。国民の批判が強いことをひしひしと感じた」と話した。

弁護士らによると、今回の財務省の調査方法は、財務省の顧問弁護士という加害者側の関係者に被害者が名乗り出ることを求めており、こうした問題に対する対応として、人権意識に欠ける対応を指摘している。

今回行動を起こしたのは、官庁によるこうした調査方法が容認されると、社会に間違ったメッセージを与えかねないと危惧したからだという。

角田由紀子弁護士は「私が日本で初のセクハラ裁判を起こした1989年から、社会のセクハラに対する認識は変わったと思っていたが、高級官僚が一番変わっていなかったことにがく然とした」と述べた。

(宮崎亜巳 編集:田巻一彦)

[東京 19日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国とインドネシア、地域の平和と安定維持望む=王毅

ワールド

日鉄のUSスチール買収、法に基づいて手続き進められ

ワールド

インドネシア、大規模噴火で多数の住民避難 空港閉鎖

ビジネス

豪企業の破産申請急増、今年度は11年ぶり高水準へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中