最新記事

ビジネス

トランプ政権、同盟国への武器輸出拡大へ 規制緩和で殺人ドローンも売り込み

2018年4月20日(金)15時00分

4月19日、米トランプ政権は、同盟国への米国製武器の輸出拡大に向けた新方針を発表した。米防衛産業を支え、国内の雇用創出につなげたい考え。イラク軍使用のドローン。昨年撮影(2018年 ロイター/Erik De Castro)

米トランプ政権は19日、同盟国への米国製武器の輸出拡大に向けた新方針を発表した。米防衛産業を支え、国内の雇用創出につなげたい考え。

新方針の下、武器輸出に絡む承認手続きを迅速化するほか、大統領などが個人的に外国との武器輸出交渉をまとめる場合に付与する権限を強化する。また、これまで人権を優先してきた武器輸出の承認基準も変更し、今後計画される武器輸出においては、人権、同盟国のニーズ、武器輸出が承認されない場合の米経済への影響が同列の判断基準として扱われる。

武器輸出拡大に向けた政府のプロジェクトはナバロ通商製造政策局長が主導してきた。

新方針の恩恵を全面的に享受するとみられる企業はボーイングやロッキード・マーチン、レイセオン、ジェネラル・ダイナミクス、ノースロップ・グラマン。

トランプ大統領は18日遅く、日米首脳会談後の合同記者会見で、日本や他の同盟国への武器輸出を迅速にするため、米政権は国務省や国防総省での煩雑な手続きの「簡素化」に努めていると語っていた。

新方針では、軍用ドローン(小型無人機)の輸出規制も緩和し、販売拡大を目指す。今後はミサイル発射が可能な殺傷能力を備えたドローンやあらゆる大きさの偵察用ドローンについて、同盟国への輸出が可能になる。

小型の武装ドローンを手がけるテキストロンとクラトス・ディフェンス&セキュリティー・ソリューションズが規制緩和の恩恵を受けるとみられる。

[ワシントン 19日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU首脳、対イラン制裁強化へ 無人機・ミサイル製造

ビジネス

世界の債務問題が著しく進展、IMFなどが共同声明

ワールド

ガザの食料危機悪化とUNRWA、イスラエルが支援妨

ワールド

気候変動の被害、2050年までに年38兆ドルか=独
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像・動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 10

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中