最新記事

宇宙旅行

ヴァージンの「スペースシップツー」、飛行試験を再開で宇宙旅行に一歩前進

2018年4月13日(金)17時20分
鳥嶋真也

同社はまず飛行機に搭載した状態で飛行させ、続いてVSSユニティ単独でグライダーのように飛行させるなど、慎重に試験を重ねた。またロケットエンジンの改良や試験も繰り返し実施し、ロケット飛行の再開に向けて準備を続けた。

今回の試験では、エンジンを約30秒間噴射。最大高度2万5686m、速度マッハ1.87に達した後、飛行場に戻った。同社は飛行後、「この飛行は我々にとって大きな一歩。ユニティの飛行試験計画の、最終段階が始まった」と語っている

同社では今後も同様の飛行試験を重ね、早ければ今年中にも宇宙飛行を行い、安全性などを確認した後、乗客を乗せた商業飛行を始めたいとしている。


気になるお値段、宇宙旅行はいつ実現する?

ヴァージン・ギャラクティックは宇宙旅行がいつ実現するかについて、具体的には明らかにしていないが、今後も試験が順調に進むなら、2019年ごろにも始まることになろう。

ちなみに、1人あたりの運賃は25万ドル(約2671万円)。家や高級車が買えるぐらいの価格だが、すでに俳優やスポーツ選手などがこぞって購入しており、世界一周旅行やクルーザーによるレジャーなどと並ぶ、大金持ちの新たなステータスとなりつつある。

また、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業ブルー・オリジンも、同じく高度100kmまで飛べる宇宙船を開発している。こちらはすでに無人ながら宇宙飛行も成功しており、早ければ今年中にも人を乗せての宇宙飛行に臨むとされる。さらに日本でも、愛知県の企業PDエアロスペースが宇宙船の開発を行っている。

blue004.jpg

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業ブルー・オリジンも、宇宙旅行用の宇宙船を開発している (C) Blue Origin

実現しても庶民には手が出そうにない宇宙旅行だが、いくつもの企業が参入して競争が起これば、低コスト化が進むとともに安全性も高まる。そう遠くないうちに、誰もが気軽に宇宙へ行ける時代が訪れるかもしれない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中