最新記事

女性

女子大生のミニスカ禁止は「男子の勉強の迷惑になるから」は、どう処理すればいいか

2018年5月22日(火)17時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真はイメージです。 webphotographeer-iStock

<そもそも女性は男性のために露出するわけではない。女性の服装についてとやかく言うなら、「それは男性のほうに問題がある」けど、気になるものは気になる...>

中国の湖南省にある湖南農業大学で先週、女子学生の服装に関して変なルールが現れた。

ある女子学生によると、最初に異変に気付いたのは図書館の外に張り紙を見たとき。書いてある内容は目を疑うものだった。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、「ウェストから50センチ未満の丈のスカートまたはパンツを着用している者は入館を認めない」とあった。

気温34度 「女子の服装のせいで集中できない」

この張り紙がいつから存在していたのかはっきりしていないが、5月15日に地元の教育当局に入った、ある苦情がことの始まりだったよう。男子学生が、図書館を利用する女子生徒の露出のせいで勉強が手につかないと訴え、大学側はこの変な措置に踏み切ったという。

予告もなく、張り紙を目の前にした女子学生たちは混乱。50センチ未満の丈のスカートやパンツを穿いていた生徒は容赦なく、警備員に跳ね返された。しかし、こんな一方的なやり方が、やすやすと受け入れられるはずもない。女子学生らは不満を爆発させた。

怒るのも無理はない。湖南農業大学のある長沙市では先週、気温34度の暑さを記録。女子学生だって、むやみに露出しているわけでないことは想像できる。これについて、ネットユーザーが反応。中国のニュースサイト「綱易新聞」では「自分の着たいものを着る権利を持っている。他人のことをとやかく言いすぎ」などの意見が出た。

図書館の職員によると、このルールは短期間で解除されたというが具体的な日数は分からない。先週の金曜日に張り紙は撤収され、土曜日に正式に「ミニスカ禁止令」は解かれた。

学校は、女子学生に不快な思いをさせたうえに混乱を招いたとして謝罪している。そして謝罪と同時に、ビーチサンダルとベストを着用した者に図書館の入館を禁じる措置を発表した。ビーチサンダルは歩くたびに「ペタペタ」と鳴る音が煩わしいと感じる可能性はあるが、ベストについては疑問符が浮かぶ。「ミニスカ禁止令」の騒動をその場しのぎで収拾させたい気持ちが透けて見える。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦力増強を指示 戦術誘導弾の実

ビジネス

アングル:中国の住宅買い換えキャンペーン、中古物件

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中