最新記事

スマートスピーカー

教えて、Siri! アップルのスマートスピーカーはどうすればもっと売れる?

2018年5月9日(水)18時00分
クリスティーナ・ボニントン

誰でも使える音声アシスタントへと脱皮するか、アップル愛好者向けのニッチな存在であり続けるか Shannon Stapleton-REUTERS

<スマートスピーカー市場で出遅れたアップル、かつてのiPhoneの大成功から学ぶべき教訓とは>

アップルが音声アシスタントSiri(シリ)を搭載したスマートスピーカー「ホームポッド」を発表したのは昨年6月。年末までに発売という目標はずれ込み、今年2月9日にようやく店頭に並んだ。

当初の期待は高く、販売予測は年内に最大1000万台とも言われたが、アナリストは早くも下方修正している。KGI証券の郭明錤(クオ・ミンチー)は、18年の売り上げは200万~250万台にとどまるとみる。販売不振を受けて、現在の349ドルより大幅に安い低価格モデルの投入も噂される。

発売から数週間は事前予約分の売り上げが好調だったが、その後は販売台数が1日に10台未満というアップルストアも。ちなみにアップルウオッチは発売から1カ月で約250万本、ワイヤレスヘッドホンのAirpods(エアポッズ)は最初の1年で1250万個売れた。

ループ・ベンチャーズによると、スマートスピーカーの市場シェアはアマゾン・エコーの55%、グーグル・ホームの23%に対し、ホームポッドは3%と大きく出遅れている。

349ドルは、競合商品の中でもずば抜けて高い。例えば200ドル前後まで下がれば、消費者の選択肢に入りやすいだろう。

もっとも、価格は苦戦の一因にすぎない。アマゾンやグーグルのスピーカーのほうが好まれそうな理由はいくつかある。

Siriの大きな弱点は、機能が限られていることだ。アマゾンは音声認識ソフト「アレクサ」を外部のサービスと連携させ、外部の開発者にさまざまな機能を提供させている。エコーを使って毎日のスケジュールを確認し、配車サービスのウーバーで車を呼んで、宅配ピザも注文できる。もちろん、アマゾンのサイトで買い物もできる。

さらに、アマゾンとグーグルのスピーカーは基本的に単独で利用でき、ほかのスマート家電との連動も可能だ。それに対し、ホームポッドの機能をフル活用するためには、iPhoneとの連携が不可欠になる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中