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中朝関係

中朝関係に立ちはだかる南北朝鮮の民族意識

2018年6月30日(土)15時00分
謝韜(シエ・タオ、北京外国語大学教授)

北朝鮮は欧米諸国の制裁を受けているため、経済的にはほぼ全面的に中国に依存している。しかしその状況は歴史的記憶と相まって、中国に対する感謝よりも怒りを生む可能性がある。

こうしたこと全てを勘案すると、中国は米朝首脳会談で「蚊帳の外」に置かれた敗者ではないものの、最大の勝者とも言えないと結論できる。米朝の緊張が緩和した以上、アメリカにとっても中国の戦略的価値は大幅に低下した。だからトランプは最近、中国との貿易戦争をあおる言動を繰り返しているのだと、中国専門家らは指摘する。

アメリカと北朝鮮が関係改善に舵を切った今、中国も南北朝鮮との関係をリセットしていい時期だろう。中国が今後も南北朝鮮を近づけた民族意識の高まりを無視すれば、朝鮮半島(とアメリカ)を敵に回すことになる。その構図が中国のためにならないことは間違いない。

<本誌2018年7月3日号掲載>

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