報復関税より「手強い脅威」 米国企業が中国で直面したものは?
現地化
中国ブランドは、ハイテク分野を含め、海外ブランドとの競争に自信を深めている。
世界最大となる同国の自動車市場では、国内ブランドが、政府支援にも助けられて、この5年で海外ブランドに迫りつつあり、米自動車大手フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)、そして米電気自動車(EV)大手のテスラに挑んでいる。
EVを主要産業と位置付ける中国政府の推進策は、この市場に参入したい多くの新たな中国企業を引きつけている。
EVが単なる輸送手段ではなく、娯楽性とワークスペースの側面を強めており、スマートカーやEV、自動運転車へのシフトが中国ブランドを活気づかせていると、中国のEV新興企業NIO(ニーオ)の投資関連会社NIOキャピタルのパートナー、イアン・チュー氏は語る。
「現地顧客の好みと地元の事業環境を熟知していなければならない。その点において、外国企業にはとてつもない試練だと言えるだろう」とチュー氏は語る。
新エネルギーやスマートビークルといった戦略的分野もカバーする中国政府による製造業振興策「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」も国内ブランドを後押ししている。
医療機器や半導体、医薬品といった他のハイテク分野でも、中国は海外市場への依存を減らすため、国内企業の育成に努めている。
また、多くの企業が中国に製造拠点を移すことで、国内ブランドに準じたステータスを得ている。
「私たちが販売する製品の大半は国内で製造されている」と、米食品大手クラフト・ハインツの中国担当マネジング・ディレクター、ゼ・ディアス氏は、最近上海で行われた、オレオに似た中国限定ビスケット菓子の発表会でロイターに語った
ディアス氏は、貿易摩擦によるコモディティー相場の変動リスクに自社がさらされていると述べた上で、長期的には米中が問題を解決することに期待を寄せている。
「短期的にちょっとした問題はある」が、米国と中国は「競うよりも協力するだろう」と同氏は語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[上海 27日 ロイター]