最新記事

日本社会

戦慄の実話! 悪夢と化した「憧れの田舎暮らし」 こんなにヤバかった「人間関係」

2018年7月12日(木)20時10分
清泉 亮(移住アドバイザー)※東洋経済オンラインより転載

田舎暮らしに憧れ移住したが……


いま、田舎暮らしに憧れる人が、退職後にIターン、Uターンするシニアだけでなく、都会の若者にも増えています。しかし、都会暮らしの長い人にとって、田舎暮らしはいいことだらけではありません。旧態依然のムラの掟、想像以上にかかるおカネ、病気やケガをしても病院がない......。

実際、「移住すれども定住せず」が現実です。都会の人は、田舎暮らしをあきらめたほうがいいのでしょうか? 最近、『誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書』を出版した移住歴20年のベテラン・イジュラーに、田舎暮らしの現実と、都会の人が田舎暮らしを満喫する方法を、実例をもとに語ってもらいました。


天国だと思っていた憬れの地が......

子どもが産まれたら、人も土地も開放的なところで育てたい──。

東京生まれの東京育ちだった石沢友美さん(仮名)は、子どもを身籠もったと同時に、東京・吉祥寺から山梨県峡北地域のある集落に移住を決めた。3年前、32歳のことだった。

マンション育ちだった友美さん夫婦は、「空き家バンク」で見つけた築60年の古民家に移り住むことになった。友美さん自身が幼少期から憧れていた待望の「田舎暮らし」だった。

「自分が小学生の頃、八ヶ岳の林間学校に来たことがあったんです。その頃から、いつかは白樺を眺めながら鳥の声を聴いて暮してみたいって、ずっと思っていました。子どもができたときに主人に相談したら、やっぱり東京の真ん中、中央区で育った主人も大賛成してくれたんです」

古民家とはいえ、直前まで家人が住んでいたために、手入れは行き届き、生活に不便はまったくなかった。

「夏場になると、カメムシとかカマドウマとか、都会じゃほとんど見たことのない虫がとにかくどこから湧いてくるのか、いっぱい出てくるんです。だけど、それも高気密じゃない古民家ならではのよさと考えて我慢できました」

なによりも、眺望がすばらしかった。

背には標高2900メートルの赤岳を擁する八ヶ岳連峰が一望でき、右手に南アルプスの山並み、左手には富士山が見える場所だ。

日本のワンツースリーの眺望に囲まれ、移住人気ナンバーワンとも言われる場所であることが実感できた。

「子どもが産まれてからまもなくは、授乳に疲れてもその眺望を観れば、すぐに気分転換もできて最高だったんです」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル一時153.00円まで4円超下落、現在154円

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中