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学力格差

子どもの学力を決めるのは、地域と家庭の教育レベル

2018年8月29日(水)15時10分
舞田敏彦(教育社会学者)

高学歴人口率から子どもの学力をかなりの確率で推し計れるが<図1>、説明変数を増やすと予測の精度はもっと上がる。高学歴人口率・平均所得・教育扶助受給率の3変数の重回帰式から、算数平均正答率の推計値を出し、現実の値(実測値)と照合してみる。

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どの区でも残差が小さく、社会経済要因の規定力が強いことが分かる。相対比較でいうと、実測値が推計値を最も上回っているのは足立区だ。地域の条件を考慮すると、当区は「がんばっている」と評される。

行政のテコ入れに加え、不利な家庭環境の子どもに対する個別指導など、「下」に手厚い実践の成果が出ている。社会経済条件を考慮した予測値を基準にすると、各地域の違った側面が見えてくる。学力調査の結果は、多様な観点から読み解く必要がある。公表される平均正答率を額面通り読むだけでは不十分だ。

資料:東京都教育委員会「児童・生徒の学力向上を図るための調査」

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