最新記事

セクハラ

トランプ指名の最高裁判事候補が過去に性的暴行? 被害者が証言に前向き

2018年9月18日(火)10時48分

9月17日、トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏(写真)から、数十年前に性的暴行を受けたと主張するカリフォルニアの大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏が、公の場で証言する姿勢であることが分かった。ワシントンで6日撮影(2018年 ロイター/Alex Wroblewski)

トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏から、数十年前に性的暴行を受けたと主張するカリフォルニアの大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏が、公の場で証言する姿勢であることが分かった。フォード氏の弁護士が17日に明らかにした。

フォード氏によると、1980年代初め、カバノー氏はフォード氏を襲い、着衣を脱がせようとした。当時2人は首都ワシントン郊外のメリーランド州で高校に通っていた。

カバノー氏は容疑を否認している。

トランプ氏が最高裁判事を指名するのは2人目。最高裁判事は終身制で、死去もしくは引退するまで地位が保障される。

カバノー氏の指名は、まず上院司法委員会で、その後は上院全体で承認される必要があり、フォード氏の主張は承認過程を複雑にする可能性がある。上院は共和党が僅差で多数派を占める。上院司法委員会は20日、指名承認決議を本会議にかけるべきか投票で決める。11月6日の中間選挙を数週間後に控える日程だ。

委員会の共和党議員の一部は、フォード氏が話す機会を与えるべきだと主張している。コンウェイ大統領上級顧問も17日、同様の見方を示した。

フォード氏の弁護士、デブラ・カッツ氏は17日の朝、一連のテレビインタビューに応じ、フォード氏が公の場で証言する姿勢であると明らかにした。米CBSテレビで、上院の公聴会で宣誓証言をすることも選択肢にあるかとの質問に対して「彼女は必要なことは実行する姿勢だ」と答えた。

上院司法委員会のグラスリー委員長(共和党)は20日の投票前に、カバノー氏とフォード氏と話す予定だ。グラスリー委員長の報道官が明らかにした。

委員会のフレーク議員(共和党)はフォード氏の話を聞くまで投票を遅らせるべきだと主張している。同じく委員会に所属するグラハム議員(共和党)はフォード氏からの事情聴取を歓迎するとした上で、「投票を予定通り進められるように、(事情聴取を)すぐに行うべきだ」としている。

上院司法委員会は11対10で共和党員がわずかに多い。上院でも51対49で共和党がわずかに過半数を占める。

カバノー氏が承認されなければ、トランプ氏は別の人物を指名することとなるが、中間選挙前に上院が承認する可能性は低い。上院は、選挙で共和党が過半数割れしたとしても、新たに指名された人物を2019年1月に開会する次の議会までには承認できる見込みだ。

[ワシントン 17日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低

ビジネス

日本企業の政策保有株「原則ゼロに」、世界の投資家団
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中