最新記事

日本企業

前澤社長は元気だけど...... アパレル業界で始まる?「ZOZO離れ」の理由とは

2019年1月8日(火)13時14分
真城 愛弓(東洋経済 記者) *東洋経済オンラインからの転載

売り上げに応じてZOZOに支払う出店手数料の高さも、ブランド側が"脱・ゾゾタウン依存"を模索する理由になっている。

newsweek_zozo_20190108_120204.jpg

高い出店手数料がゾゾタウンを敬遠する理由に(写真:ゾゾタウンのホームページより)

ブランドからの手数料収入を収益柱とするZOZOは、新規に出店したブランドに課す手数料の比率を年々引き上げている。現在の平均は売り上げに対して30%台半ばに達し、安価なブランドでは残る利益はごくわずか。「売り上げが増加しても利益は残らない」といった事態を防ぐため、ブランドによっては新商品や主力商品は手数料の掛からない自社サイトで売り、ゾゾタウンでは売れ残った在庫を集中的に販売するなど、サイトを使い分ける動きも出始めている。

方針次第ではゾゾ離れも

圧倒的な集客力を誇るゾゾタウンに出店すれば売り上げ確保やブランドの認知度拡大を図れるため、多くのブランドはなかなかゾゾタウン依存から抜け出せない。だが、オンワードのように自社サイトでの販売比率が比較的高いアパレルは、今後のZOZOのサービス方針次第で「ゾゾ離れ」が続く可能性もある。

ZOZOの前澤友作社長は昨年末、2018年を漢字四文字で表すと「試行錯誤」だったとツイッター上で振り返った。昨年1月に始動し、商品の発送遅延などのトラブルが多発したPB(プライベートブランド)事業の難しさを指したものと想定される。ゾゾタウン事業は今のところ順調な拡大が続くが、状況によっては難しい局面を迎えることになりそうだ。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg

20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中