婚約者を呼び寄せられず、ドイツからシリアに戻った若者の悲劇
A Deadly Welcome
だが、自主的に帰国する難民に対する国の責任には触れていない。UNHCRはシリア難民が帰国を申請するたびにスタッフを派遣し、現地の治安状況を適切に助言すべきだと、支援団体は主張する。
確かにシリアのバシャル・アサド大統領とその同盟国は、奪回した支配地域には激しい空爆を行っていない。だが、拷問や大量の不法拘束、超法規的な処刑行為で悪名高い政権側の治安機関は今も健在だ。
難民の家族や支援団体の話によれば、帰国後に迫害を受けた人数は今のところ比較的少ない。彼らを守るための時間はまだある。だが有権者の圧力に弱い受け入れ国の政府は、難民を待つ危険に半ば目をつぶって帰国事業を進めているように見える。
<2019年3月12日号掲載>
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