最新記事

ブレグジット

EU、英国離脱延期承認の見通し 仏は一定の条件求める

2019年4月10日(水)09時43分

 4月9日、英国のEU離脱を巡りEU首脳らは、メイ英首相が求める離脱日の再延期を承認する見通し。ベルリンで撮影(2019年 ロイター/HANNIBAL HANSCHKE)

英国の欧州連合(EU)離脱を巡りEU首脳らは、メイ英首相が求める離脱日の再延期を承認する見通し。ただ、延期には、EUへの英国の影響力を制限するためにフランスが一定の条件を求めており、EUはより長期の延期を受け入れるようメイ氏に求める可能性がある。

メイ氏はこの日、12日に迫ったEUからの離脱を巡り、ベルリンでドイツのメルケル首相と会談。その後パリに移動し、マクロン大統領とも協議した。

一方、ロイターが入手した10日のEU緊急首脳会談の声明草案によると、英国は一定の条件付きでの離脱期限延期が認められる見通し。

メイ氏は6月30日までの延期をEUに求めているが、草案にはいつまで延期するのか具体的には記されておらず、10日の首脳会合で最終決定するとみられる。

あるEU筋は離脱時期について、年末もしくは来年3月というように、離脱期限を柔軟にする「flextension」という案が浮上していると指摘。この案では、英議会の状況次第では、より早期の離脱が可能になると説明した。

仏政府高官は「離脱時期を延期する場合、1年は長すぎるようだ」と指摘。延期したとしても、EU予算協議や欧州委員会トップ選びなどに英国は関与すべきでないとの考えを示した。

アイルランドのバラッカー首相は、マクロン大統領がメイ氏の離脱延期要請を拒否するとは思わないが、延期に条件を付ける意向だろう、と説明した。

トゥスクEU大統領はこの日、EU首脳に宛てた書簡で、離脱協定案を英国が批准することを条件に離脱期限の最長1年延期を提案した。トゥスク大統領、英国に長期的でかつ柔軟な離脱期限の延期を提案することで、短期的な延期と緊急首脳会議の開催を繰り返すリスクを防げると説明。ただ延期は条件付きとなるとし、「離脱協定案の再交渉は行わず、政治宣言以外に将来的に交渉を開始することもしない」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中