最新記事

セクハラ疑惑

バイデン前副大統領「髪にキス」で窮地に

Joe Biden Accused of Unwanted Kiss While Vice President

2019年4月1日(月)18時00分
ニコル・グッドカインド

そして、ルッソはこう続けた。「フローレスさんが自分の記憶を公表することは当然の権利だ。それが可能になったのは、社会にとって良い変化だと信じている。バイデンはフローレスさんを、私たちの政治における強く独立した声であると考え、彼女の成功を願っている」

フローレスの件と同じタイミングで、バイデンが関連する別のセクハラ疑惑についての議論が盛り上がっていた。それは1991年、最高裁判事の候補になったクラレンス・トーマスが、部下だったアニタ・ヒルに性的嫌がらせで告発された事件。ヒルは議会公聴会で自分が受けた被害について証言したが、当時、上院司法員会の委員長だったバイデンのヒルへの対応は、冷淡なものだったといわれている。

先週3月27日、自分の名を冠した「バイデン勇気賞」授与式での演説で、彼は当時の自分の行動を謝罪した。バイデンは(黒人の)ヒルは白人男性ばかりの司法委員会で屈辱的な尋問を受け「ひどい代償」を支払わされた、「勇気ある女性」だったと語った。

大統領選へ最初の試練

またこうも言っている。「当時の司法委員会は彼女の告発の意味を完全に理解することができなかった。今日にいたるまで、彼女の証言にきちんと耳を傾ける機会がなかったことを悔やんでいる。何かすることができたらよかったのに、と思っている」

バイデンは3月31日、今回の疑惑について声明を出し、言われるような不適切なことをした記憶はないが、「女性が不快な思いをした体験について、人々に訴えることができ、訴えるべきだと考えられる時代がきたことは重要だ。私も耳を傾ける」と誓った。

2020年大統領選の有力候補としてバイデンが生き残れるかどうかは、白人の高齢男性に対して人々が抱く時代遅れという印象を払拭できるかどうかにかかっている。これは、最初の試練だ。

(翻訳:栗原紀子)

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・メキシコ首脳が電話会談、不法移民や国境管理を協

ワールド

パリのソルボンヌ大学でガザ抗議活動、警察が排除 キ

ビジネス

日銀が利上げなら「かなり深刻」な景気後退=元IMF

ビジネス

独CPI、4月は2.4%上昇に加速 コア・サービス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中