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地球

水不足に希望!? 巨大な帯水層がアメリカ北東岸沖の海の下で見つかる

2019年7月3日(水)17時00分
松岡由希子

    アメリカ北東岸沖に巨大な帯水層が見つかった Adapted from Gustafson et al., Scientific Reports, 2019

    <アメリカ大西洋岸で350キロメートル以上にわたって、巨大な帯水層(地下水を含んでいる地層)があるらしいことがわかった......>

    アメリカ北東岸沖の海底下で巨大な帯水層(地下水を含んでいる地層)が見つかった。この帯水層の長さはマサチューセッツ州からニュージャージー州にわたる50マイル(約80.5キロメートル)以上にわたり、これまでに見つかった帯水層の中で最大級のものだ。

    米コロンビア大学の博士課程に在籍するクロエ・グスタフソン氏らの研究チームは、ニュージャージー州沖からマサチューセッツ州の島マーサズ・ヴィニヤードまでの90キロメートルにわたって海底下の帯水層を測定し、2019年6月18日、一連の成果をまとめた研究論文を科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。

    この測定データを分析したところ、帯水層はアメリカ大西洋岸で350キロメートル以上に伸び、2800立方キロメートルの低塩分地下水を擁しているとみられる。氷河期に大量の水が地下の地層に蓄えられたと考えられている。

    海底下の帯水層の研究は、1970年代に石油を求めて海岸線を掘削した際、石油の代わりに水が見つかったことがきっかけとなって始まった。掘削穴は海底にごく小さく刺した程度のものであったため、偶然その場所に水があったにすぎないのか、実際はもっと大きな水たまりなのか、議論されていた。

    淡水は海底下に広がっている

    研究論文の共同著者でもあるコロンビア大学のケリー・キー准教授は、20年ほど前から、石油企業とともに、電磁波イメージングを活用した石油探査技術の開発に取り組んできたが、淡水と塩水の電磁波の伝導性の違いに着目し、この仕組みを海底下での淡水の探査に応用。塩水は淡水よりも電磁波の伝導率が高いので、淡水は低コンダクタンス帯として識別できるのだ。

    研究チームは、2015年、コロンビア大学ラモント・ドハティ地球観測研究所の探査船で10日間にわたり、ニュージャージー州南部からマサチューセッツ州のマーサズ・ヴィニヤードまで、海底下の電磁場を測定した。測定データを分析したところ、淡水は点在しているのではなく、つながっており、そのほとんどが海底下600フィート(約182.9メートル)から1200フィート(約365.8メートル)までに広がっているという。

    Surface Towed EM on the R.V. Langseth

    水不足地域で、貴重な水資源となる......

    2018年に南アフリカ共和国のケープタウンで深刻な水不足となり、2019年6月以降、インド南東部のチェンナイでも水不足が続いている

    今回アメリカ北東岸沖で見つかった海底下の帯水層から取水する場合、ほとんどの用途で淡水化する必要はあるものの、キー准教授は「淡水化に要する費用は、海水の淡水化に比べてずっと少ない」と指摘。「カリフォルニア州南部やオーストラリア、中東など、水不足の課題を抱える他の国や地域で大きな帯水層が発見できれば、貴重な水資源となるだろう」と期待感を示している。

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