最新記事

ファクトチェック文在寅

韓国「反日大統領」文在寅、成功体験を重ねた自信家の経歴

2019年7月23日(火)16時45分
ニューズウィーク日本版編集部

2回目の挑戦で大統領に就任した文在寅(2017年5月) KIM KYUNG HOON-REUTERS

<歴史や貿易問題で日本との対決をいとわず、自国経済と国民を窮地に追い込む文在寅。その経歴を紐解けば、文の思想の根源に何があるかが見えてくる>

民主化の実現、兵役時代の表彰、司法試験合格、大統領当選......と、苦労をしながらも成功を重ねてきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は自信家だ、という見方がある。

手始めに、『運命 文在寅自伝』(邦訳・岩波書店)を元に文の経歴を簡単に振り返ってみると、以下のようになる。

【1953年1月】
・朝鮮戦争の最中、両親が北朝鮮領内から避難した韓国の巨済島で生まれる

【1975年4月】
・慶熙大学在学中に学生運動を主導し拘束、除籍に(後に復学)

【1975年8月】
・兵役で入隊し特戦司令部に配属される

【1980年】
・「反独裁民主化闘争」に参加し2度目の拘束
・司法試験合格、慶熙大学法学部卒業

【1981年】
・結婚

【1982年8月】
・後の大統領、盧武鉉と法律事務所を設立。労働者弁護士として活動する

【1988年】
・ハンギョレ新聞創刊準備委員会委員

【2002年10月】
・盧武鉉大統領候補の釜山選挙対策本部長に

【2007年】
・廬武鉉政権で大統領秘書室長、第2回南北首脳会談推進委員会委員長を歴任

【2012年】
・国会議員選出(民主党)、議員1年目にして同年の大統領選挙に出馬するも朴槿恵候補に敗れる

【2015年】
・「共に民主党」代表に就任

【2017年5月】
・朴槿恵の罷免を受けて実施された大統領選挙に出馬し勝利、19代大統領に選出される

20190730issue_cover200.jpg歴史や貿易問題で日本との対決をいとわず、自国経済と国民を窮地に追い込む文の「論理」はどういうものなのか。ニューズウィーク日本版は本日(7月23日)発売の7月30日号で「ファクトチェック文在寅」特集を組み、検証した。

上記の経歴をざっと見るだけでは読み取れないが、特集に寄稿した東京新聞論説委員の五味洋治は、5つのファクトから文の思想の根源に何があるかを解き明かす。

その5つとは――

FACT 1:意外な「日本好き」
FACT 2:「時代の犠牲者」
FACT 3:「民主化実現」への自負
FACT 4:「統一への憧憬」
FACT 5:「積弊清算」に執着

だ。五味はこう書く。

「文には自分が正義を貫き、韓国の民主化を実現したという自負があるに違いない......ただ、正義や被害者であるという『道徳的優位性』にこだわり過ぎれば、外交の選択肢を狭める。戦後最悪とも称される日韓関係の悪化を招いた出発点は、際限ない「積弊清算」にあることを自覚すべきときだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中