最新記事

ラグビーW杯

ラグビーW杯:オールブラックス、タトゥー隠して日本文化に配慮

2019年9月24日(火)17時30分
松丸さとみ

在カーディフの名誉領事であるキース・ダン氏は、ウェールズ人はタトゥーが好きだとBBCに話しており、タトゥーを入れている人も多いと思われる。ラグビー観戦ツアーを実施しているウェールズの旅行会社も、「ワールドカップ中は(タトゥーに関する規則が)緩くなっているかもしれないが、それでもタトゥーを入れている人には隠すようにアドバイスした」とBBCに話した。

一方、仏英語メディア「フランス24」は、都内のラグビー・チームに参加している日本在住の米国人ウィルさんの談話を紹介した。フィジー式のタトゥーを入れているウィルさんは、タトゥーはラグビーの強豪国であるニュージーランドやサモア、トンガといった太平洋諸島の国々の文化であることから、「タトゥーはラグビーの文化」だと説明。しかし日本人の心情を考慮し、「普段は見えないようにしている」と話した。

日本の温浴施設も規則緩和で対応

迎える日本側も、ワールドカップ中はこうしたラグビーの文化に配慮し、温浴施設などでタトゥーに関する規則を緩和する動きが見られている。前述のワールドラグビーが設けた日本のエチケットに関する情報ページでは、「ラグビーの選手やファンはタトゥーを入れている人が多いだろうとの理解から、開催都市周辺の温泉施設では大会期間中は規則を緩和している場所も多い」と説明している。とはいえ、「不明な場合は事前に確認を」と注意を促している。

実際に、ワールドカップ期間中は規則を緩和して対応している場所も少なくないようだ。ガーディアンは7月、試合会場に近い札幌や熱海で実際に緩和していると報じた。ワールドカップ期間中は、特定の時間帯にタトゥーが入った顧客を受け入れるなどの対策を取ったり、小さなタトゥーの場合はシールで隠してもらったりといった施設もあるようだ。

ガーディアンではさらに、別府温泉の取り組みも紹介。別府市では、具体的にどの施設がタトゥーをした人も歓迎しているかが分かる英語の情報サイトも用意している。別府温泉では、刺青を含めてタトゥーをしている顧客を普段から受け入れており、豪公共放送ABCのラジオ番組によると、こうした温浴施設は別府全体の65%に上るという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

海運マースク、第1四半期利益が予想上回る 通期予想

ビジネス

アングル:中国EC大手シーイン、有名ブランド誘致で

ビジネス

英スタンチャート、第1四半期は5.5%増益 金利上

ワールド

トルコ製造業PMI、4月は50割れ 新規受注と生産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中