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中国、対米報復を誓う 米下院「香港人権法案」可決に激怒

China Vows to Retaliate Against U.S. for Hong Kong Human Rights Bill

2019年10月17日(木)15時00分
デービッド・ブレナン

香港政府と中国政府は、デモ参加者を「暴徒」および「テロリスト」と見なしている。中国外務省の耿は16日、米議員たちは「放火や店舗の破壊、警察官への暴力などの重大な犯罪を人権や民主主義の問題だと言って、事実をねじ曲げている」と批判。米下院の姿勢は「露骨なダブルスタンダード」であり「アメリカの一部の者の間に、人権や民主主義の問題についての極端な偽善と、中国の発展を阻むために香港の繁栄と安定を弱体化させようという悪意があることを露呈している」と主張した。

「中国は、アメリカの誤った決定に対して断固たる措置を取り、自国の主権、安全・発展上の利益を守っていく」と耿はさらに述べた。

耿はまた、「香港問題は完全に中国の内政問題であり、外国勢力によるいかなる干渉も受け入れない」と強調。「アメリカには、状況を的確に把握し、香港関連法案の審議を直ちに取りやめ、中国への内政干渉をやめるよう忠告する」というメッセージを出した。

一方、香港の民主化を求める活動家たちは、香港人権・民主主義法案が可決されたことを歓迎した。アメリカを拠点とする非営利組織「香港民主主義評議会」は米議員たちを称賛。同組織のサミュエル・チュー代表は同法案を「香港市民へのこれまでで最も力強い支持表明」と評した。

著名な民主活動家で民主派政党「香港衆志」の共同創設者でもある黄之鋒(ジョシュア・ウォン)も、米下院の指導部に対して感謝の意を表明した。

(翻訳:森美歩)

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