最新記事

日韓関係

「NO JAPAN」に揺れた韓国へ「股」をかけて活躍した日本のAV俳優たち

2019年12月26日(木)18時15分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

newsweek_20191226_181551.jpg

韓国ユーチューバーとしてデビューした小倉由菜のYouTubeチャンネル

本当は韓国には存在しないはずのAV

そもそも、韓国ではAV制作が違法で、輸入も禁止されている。成人向けエロ映画は存在するものの規制が多く、青少年観覧禁止とされている成人映像も日本の基準から見ると、かなり規制が厳しい国だ。AVそのものが日本から正式には輸入されていないはずなのにもかかわらず、出演者の女優や男優がすでに知名度が高いことに驚かされる。規制をかけても、いくらでも違法ダウンロードや海賊版DVDは出回っているのだろう。

しかし、AVの存在自体違法なのには変わりなく、AVの女優男優に対しての風当たりは強い。日本のようにAVデビューを経て、その後多方面で活躍する人は韓国芸能界ではこれまで存在しなかった。そんななか、2018年3月に、元SKE48のメンバーで、現在AV女優として活躍していた三上悠亜が日本人メンバーと結成したK-popアイドル「ハニーポップコーン」が韓国デビューを果たす。しかし、デビューが発表された直後から、国民が政府に直接意見できる「国民請願」にはデビューを反対する投稿が相次いだ。

しみけんはテレビCMにも登場

ところが、今年になって、AV俳優たちによる韓国向けユーチューブを始め、ファンミーティングも積極的に行われるようになってきた。特に小倉由菜は、500人以上の応募者の中から当選した200人のファンを動員しAV女優のファンミーティング最多動員数を記録した。

さらにしみけんは、韓国史上初めてAV界からテレビCMに起用されている。しかも商品はアダルトグッズなどではなく普通のオンラインゲームだ。さらにしみけんは健康食品のCMにも登場、商品開発にも携わっていて、「しみけん」の名前が付いたプロテインシェイクまで発売されている。また、しみけんのような引き締まった体になれるエクササイズ本も韓国語訳されて売られている。

今やただのAV男優ではなく、自分もこうなりたいと思われる憧れの対象ともなっているようだ。確かに、AVを視聴する層は大体男性で年齢層も決まっている。万人には知られていないにしても、ターゲットを絞った広告を打つにはピンポイントでわかりやすいともいえる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

米雇用なお堅調、景気過熱していないとの確信増す可能

ビジネス

債券・株式に資金流入、暗号資産は6億ドル流出=Bo

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇用者数
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中