最新記事

ウクライナ疑惑

トランプ弾劾「主戦場」は上院へ 共和・民主の攻防戦略は

2019年12月12日(木)09時27分

米民主党のペロシ下院議長は、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾手続きで、正式に訴追の動きに入った。写真は7日、フロリダ州ハリウッドのイベントで登壇を終えたトランプ氏(2019年 ロイター/Loren Elliott)

米民主党のペロシ下院議長は、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾手続きで、正式に訴追の動きに入った。しかしトランプ氏側は民主党が過半数を占める下院での弾劾審議には応じず、与党・共和党が過半数を握る上院で弾劾裁判を受けて立つ意向を示した。

上院の弾劾裁判の手続きと共和党のマコネル上院院内総務の取り得る戦略をまとめた。

上院の役割

予想されている通りに下院本会議で弾劾決議案が可決された場合、上院で弾劾裁判が開かれる。トランプ氏には弁護士が付き、ロバーツ最高裁長官が手続きを監督する。

上院は下院の提出した証拠を審議し、トランプ氏が有罪かどうかを採決する。トランプ氏の罷免には出席議員の3分の2以上の賛成が必要。共和党は上院で過半数の議席を占めており、トランプ氏が有罪にされる可能性は極めて低い。

トランプ氏は証人出廷を求めることができるか

トランプ氏は、2020年大統領選の民主党有力候補バイデン前大統領と同氏の息子ハンター氏を証人に呼びたいとの考えを示した。トランプ氏は証拠を示さずに、バイデン氏とハンター氏が汚職に関与したと主張している。今年7月25日の電話会談でウクライナ大統領にバイデン氏とハンター氏を調査するよう圧力をかけたことが弾劾手続きの引き金となった。トランプ氏はウクライナ大統領との会話を正当化し、電話に問題はなく、不正はしていないとしている。

バイデン氏は弾劾裁判で自発的に証言するつもりはないと述べているが、召喚状を受け取った場合にどうするかは明確にしていない。

大統領の弁護士は歴史的に証人の証言を求めることが認められてきたが、上院で過半数以上の賛成を得る必要がある。

1999年の当時のクリントン大統領の弾劾裁判では、共和党が証人3人の出廷を要請したが、証言の生中継で裁判が間延びすることになるとして民主党が拒否。最終的に両党が非公開で証人に質問し、録画された証言の抜粋がその後、弾劾裁判の場で視聴された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国碧桂園、清算審理が延期 香港裁判所で来月11日

ワールド

米声優、AI企業を提訴 声を無断使用か

ワールド

フィリピン中銀、タカ派スタンス弱めればペソに下押し

ビジネス

適正な為替レート、「110─120円台」が半数=帝
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中