最新記事

テロ

米、軍事訓練のサウジ研修生21人の登録抹消 発砲事件後の調査で反米思想など判明

2020年1月14日(火)08時54分

米フロリダ州の米海軍基地で12月に研修中のサウジアラビアの空軍少尉が発砲し、米国人3人が死亡した事件に絡み、サウジ政府は米国で軍事訓練を受けている研修生21人を帰国させることを決めた。バー米司法長官(写真)が13日、明らかにした(2020年 ロイター/Tom Brenner)

米フロリダ州の米海軍基地で12月に研修中のサウジアラビアの空軍少尉が発砲し、米国人3人が死亡した事件に絡み、サウジ政府は米当局の調査を受け、米国で軍事訓練を受けている研修生21人を帰国させることを決めた。バー米司法長官が13日、明らかにした。

同州ペンサコーラ海軍航空機基地で12月6日に起きた発砲事件では、8人の負傷者も出ており、米サウジ関係に微妙な影を落とした。容疑者のサウジ空軍所属モハメッド・サイード・アルシャムラニ少尉は事件直後に射殺された。

バー長官は、これまでの調査でサウジの研修生21人が児童ポルノを所持するかイスラム過激主義もしくは反米的なコンテンツを含むソーシャルメディアのアカウントを所有していることが判明したと説明。訓練プログラムの登録を抹消され、13日中に米国を去るという。

ただ、米政府が国外追放を決めたのではなく、サウジ政府が帰国命令を出したと述べた。サウジ当局からは研修生21人の起訴を検討する意向を伝えられたと付け加えた。

バー氏はまた、アルシャムラニ容疑者の襲撃計画を他の研修生が支援した、または知っていたと示す証拠は出ていないと語った。

「これはテロ行為だ」と強調し、「容疑者は聖戦(ジハード)の思想に駆り立てられたことが調査で明らかになっている」と述べた。

米アップルが容疑者の2台の携帯電話のロック解除に協力していないとの不満も述べた。米連邦捜査局(FBI)はロック解除にあらゆる手段を尽くしたという。

アップルはコメントの求めに応じていない。同社はこれまでに、所持しているすべてのデータをFBIに渡したと表明している。

[ワシントン 13日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-バイデン政権の対中関税引き上げ不十分、拡大す

ワールド

ジョージア議会、「スパイ法案」採択 大統領拒否権も

ビジネス

米ホーム・デポ、売上高が予想以上に減少 高額商品が

ワールド

バイデン大統領、対中関税を大幅引き上げ EVや半導
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 10

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中