最新記事

感染症

中国の新型肺炎、死者3人 北京・深圳・ソウルへと拡大、世界で200人以上が感染

2020年1月20日(月)17時00分

中国当局は、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎で、週末に新たに139人が感染したことを明らかにした。写真は北京の天安門広場で2017年12月撮影(2020年 ロイター)

中国当局は20日、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎で、週末に新たに139人が感染し、死亡した人も3人になったと発表した。また浙江省は、呼吸器疾患で5人を隔離したが、診断はまだ確定していないと明らかにした。

湖北省武漢市で136人が新たに発症。北京市大興区で2人、広東省の深センで1人の感染が確認された。中国国内で武漢以外の患者が報告されたのは初めて。

一方、韓国疾病予防対策センター(KCDC)は20日、前日に武漢からソウル近郊の仁川国際空港に到着した中国人女性(35)から新型コロナウイルスを検出したと明らかにした。国内で感染が確認されたのは初めて。到着時に高熱などの症状があったため、すぐに隔離されたと説明した。

世界全体で確認された感染者数は200人を超えた。

武漢市当局によると、19日遅くの段階で同市では合計198人の感染が報告されている。約170人が病院で手当てを受けており、25人は治癒しているという。最新の死亡者数に関する詳細は明らかにしていない。

浙江省の保健当局は、武漢市から同省を訪れ、呼吸器疾患の症状が見られる患者が1月17日以降に5人見つかったと明らかにした。5人は安定した状態で、5人と密な接触のあった人も観察下に置かれているという。

中国では24日から旧正月の大型連休が始まり、多くの人が国内外を旅行するため、感染の拡大が懸念されている。

中国国外では、タイで2人、日本で1人の感染が確認されており、いずれも武漢市出身の人との関わりがあるか、もしくは武漢市に行ったことがある人という。

*世界での感染者数を追加しました。

[上海/北京/ソウル 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中