最新記事

新型コロナウイルス

「37.5度以上はオフィス入室禁止」 日本企業もウイルス感染対策に本腰へ

2020年2月17日(月)18時15分

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が国内で広がりを見せる中、日本企業の対策が本格化してきた。都内で14日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が国内で広がりを見せる中、日本企業の対策が本格化してきた。テレワークによる在宅勤務やフレックスタイムでの時差出勤などで人混みを避ける手法が主流だが、サーモグラフィーで計測した来客の体温が一定以上の場合、オフィスへの入室を控えるよう要請する徹底した企業もある。

エレベーターのボタン消毒

体温37.5度――。GMOインターネットが設けたオフィスへの入室基準だ。手洗いやうがいの奨励、消毒薬の設置だけでなく、各拠点の受付にサーモグラフィーを置き、基準を超えた来訪客は別に用意した体温計で検温する。なお基準値以上なら、「大変申し訳ないが、お引き取り願う」(同社)という。 さらに、マスクを着けていない来客には着用を要請、エレベーターのボタンは1時間ごとに消毒する。

GMOは1月27日、新型肺炎対策として東京・大阪・福岡の従業員約4000人を対象にいち早く在宅勤務を導入した。国内従業員の約9割に当たる。金融系サービスで法令に対応したり、取引先のセキュリティー上の都合でネットを介したやり取りができないケース、郵便物の受け取り・発送など人の手を介さないといけない場合には「出社を認めている」(同社)という。

国内に20万人の従業員を抱えるNTTも、グループ各社にテレワークや時差出勤の取り組みを強化するよう呼びかけた。具体的な対象者は各社が判断するが、総務や経理といった間接部門の社員が中心となりそうだ。

金融業界では三菱UFJ銀行が国内外を問わず不要不急の出張を控えるほか、香港を含む中国全土への渡航を禁止している。必要に応じ、在宅勤務や時差通勤も推奨している。野村証券は17日、一部を除く本支店でのセミナー開催の中止を決めた。1月15日以降、中国から帰国した社員は14日間出社せず在宅勤務という体制をとっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金与正氏、ロシアとの武器取引否定 「ばかげ

ビジネス

テスラのドイツ工場拡張、地元議会が承認 環境団体は

ビジネス

シェブロン、英北海事業から完全撤退へ 残る資産の売

ワールド

米大統領、トランプ氏の予測違いを揶揄 ダウ4万ドル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中