最新記事

感染症対策

トランプ、新型コロナウイルス対策でNY州「封鎖」を一時検討 その後撤回

2020年3月29日(日)13時00分

トランプ米大統領は28日、米国で急速に広がっている新型コロナウイルスの感染を抑えるため、ニューヨーク州などを対象に移動制限を検討している、と語った。ただ、その後、「封鎖は必要ない」とツイート。危険情報の発令にとどめる意向を示した。写真はホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Joshua Roberts)

ランプ米大統領は28日、米国で急速に広がっている新型コロナウイルスの感染を抑えるため、ニューヨーク州などを対象に移動制限を検討している、と語った。ただ、その後、「封鎖は必要ない」とツイート。危険情報の発令にとどめる意向を示した。

米国での死者は2100人を超え、2日前から2倍以上になった。また、確認されている感染者数は12万2000人を超え、世界で最も多い。

1月下旬に米国で感染が確認されて以来、トランプ氏は感染の危険性を軽視するか、感染拡大の抑制措置を国民に求めるか、揺れ動いている。

トランプ氏は当初、他の州への感染拡大を防ぐため、ニューヨーク州とニュージャージー州、コネチカット州の一部で移動制限措置を実施する可能性がある、とした。

トランプ氏は記者団に「フロリダで(感染)問題が起きている。多くのニューヨーク州の住民が(フロリダに)向かっている。それを望んではいない」 と語った。

一方、ニューヨーク州のクオモ知事は、移動制限は混乱を引き起こす、と反対する立場を表明していた。

知事はCNNで、「全土で壁を設けるのは、全く異常で、非生産的、反米的だ」とし、「それは全く意味をなさないし、政府の当局者や専門家が支持するとは思えない」と批判した。

同地域は全米の人口の10%、国内総生産(GDP)の12%を占めており、移動制限が実施されれば、重大な影響が懸念されていた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・中国、感染しても無症状者は統計に反映せず 新型コロナウイルス感染爆発「第2波」の懸念
・新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(28日現在)
・デーブ・スペクター「日本がオリンピックを美化するのはテレビのせい」


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中