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感染症対策

全米各地のコロナウイルス検査に滞り 「高度な自動化」が裏目に

2020年8月2日(日)19時10分

「パンサー」争奪戦

ホロジック、セファイド、ロシュ、アボットの各社は、4月末まで自社製の自動検査機用の検査キットを販売していた。研究所のスタッフは、場合によっては数百件もの検体をこの機器に投入し、あとは放置しておけばいい。

米国におけるコロナとの戦いで、これらの企業は欠かせない存在になった。分子病理学会(AMP)が5月に行った調査によれば、研究所の47%は、検査システムの主力として、4社のプラットフォームのうち1つを挙げていた。

連邦政府に提出された計画によれば、各州が検査能力の拡充を急ぐなかで最も人気が高いのはホロジック製「パンサー」で、24時間で最大1000件の検査を処理する能力を持つ。

ホロジックのスティーブン・マクミラン最高経営責任者(CEO)は6月に開かれた投資家会議の席上、「需要は驚くほどだ。我々が担っている役割を非常に誇りに思う」と語った。

マクミランCEOは、「ここ数週間から数カ月、米国のほぼすべての州知事が、『パンサー』をもっと必要としている理由を訴えるために直接連絡してきた」と言う。

「パンサー」はHIVなど他の感染症の検査にも使うことができ、29の州・都市が少なくとも合計51台の「パンサー」購入を予定していた。ワシントン、ノースカロライナ両州の当局者はロイターに対し、まだ納品を待っている状態だという。

だがホロジックでは、全米で約1100台を数える既存の「パンサー」をフル稼働させるために必要な検査キットを十分に製造していない。この台数の「パンサー」がフル稼働すれば、月間約3300万件の検査を行えるが、ホロジックが製造する検査キットは約480万個にすぎない。

ホロジックによれば、製造部門は24時間体制で動いており、生産量を増やすために雇用を拡大し、新たな設備への投資も行っていると言う。また同社は、すでに検査には「多大な貢献」をしており、各研究所がより短い待ち時間で多くの検査結果を出すことを可能にしている、と述べている。

各州の検査拡充計画においてホロジック「パンサー」に続くのは、セファイドの「ジーンエキスパート」で、45台が購入予定とされている。セファイドは世界各国に約2万5000台を販売しているが、製造している検査キットは月間約200万個だ。世界全体では1日1台当たり2─3件の検査しか行えない。

セファイドのデビッド・パーシング最高医療責任者によれば、同社は病院のように迅速な結果を必要とする顧客に注力しているという。同社は数百万本のカートリッジを新たに製造しているが、2021年半ばまでは供給量を大幅に増やせる見込みはないという。

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