最新記事

文化

マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝罪 

2020年8月13日(木)18時15分
松丸さとみ

商品のネーミングも難しい......  hellsbasement.com

<カナダのビール会社が「羽のように軽い」という意味を込めて、マオリ語で「羽」を意味する名前を付けたが、謝罪することになった......>

「羽のように軽い」の意味を込めて...

カナダのビール会社は2年前、同社のペールエールに、「羽のように軽い」という意味を込めて、マオリ語で「羽」を意味する名前を付けた。少なくとも、同社はそう思っていた。しかし最近になって、実はマオリ語で「陰毛」という意味だったことが判明。ビール会社は、マオリの人たちを侮辱するつもりはなかったと謝罪し、ブランド名を変更する意向を明らかにした。

このビール会社は、カナダのアルバータ州にあるヘルズ・ベースメント・ブリュワリー。ニュージーランドのホップを使ったペールエールを、「Huruhuru」(フルフル)として発売した。マオリの言葉で「羽」を意味するものとして「フルフル」という言葉を選んだのだという。ビールの缶には、羽の模様があしらわれている。

ところが最近になって、ニュージーランドのテレビ司会者であるマオリ人のテ・ハムア・ニコラさんが、マオリの人が「フルフル」と聞いて最初に思い浮かべるのは、「陰毛」だと説明する動画をフェイスブックに投稿した。

動画によると、ニコラさんは最近、ニュージーランドのウェリントンにある革製品の店の名前と、カナダのビールのブランド名が「フルフル」であることに気付いた。ニコラさんは革製品の店にメッセージを送り、フルフルの意味が何だと思っているか尋ねたところ、「羽」という意味の単語を辞書で調べた、と返ってきたという。

「オンライン辞書を使うよりもマオリ人に相談すべきだった」

ニコラさんはさらに後日のフェイスブック投稿で、カナダのヘルズ・ベースメント・ブリュワリーには、インスタグラムでメッセージを残してきたことを明かした。このフェイスブックの投稿には、「マオリの言葉の専門家に当然ながら相談したんですよね?それが良識があるとか、敬意を払うってことじゃないですか?」と書いている。

また最初の動画の中でも、「(マオリ文化を)評価しているってことだという人もいるけど、盗用だよ」と述べている。さらに、「自分たちには何にでも権利があると思う病気に彼らはかかっている。やめてくれ。自分の言語を使え」と主張した。

カナダの公共放送CBCによると、ヘルズ・ベースメント・ブリュワリーの創始者マイク・パトリキン氏はメールでCBCに対し、誰かの気分を害する意図はなかった、と述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

プーチン氏、5月に訪中 習氏と会談か 5期目大統領

ワールド

仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中