最新記事

感染症対策

EU、レムデシビルの契約見直し必要か WHO治験でほとんど効果見られず

2020年10月17日(土)14時19分

新型コロナウイルス感染症の治療薬として利用されている米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」について、欧州連合が同社と結んだ10億ユーロ(12億ドル)の供給契約を見直す必要があるとの見方が出ている。 独ハンブルクで4月代表撮影(2020年 ロイター)

新型コロナウイルス感染症の治療薬として利用されている米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」について、世界保健機関(WHO)の臨床試験(治験)で死亡率低下にほとんど効果がないとの結果が示されたことを受け、欧州連合(EU)が同社と結んだ10億ユーロ(12億ドル)の供給契約を見直す必要があるとの見方が出ている。

EUは8日、加盟27カ国と、英国を含むパートナー国10カ国を代表して、ギリアドとレムデシビルの供給契約に調印したと発表。欧州医薬品庁(EMA)で患者組織を代表するヤニス・ナトシス氏は、欧州委員会は「ギリアドとの契約を急いだ理由を説明し、WHOの治験結果を踏まえ、契約を見直す必要がある」と述べた。

欧州委の報道官は「公衆衛生を巡る危機の最中にある時は時間が重要になる。ワクチン開発に事前投資するだけでなく、治療薬へのアクセスも確保する必要がある」と述べ、ギリアドと契約を結んだ時点でWHOの治験結果に関してEUが情報を得ていたかについてはコメントを控えた。また、ギリアドと合意した価格を再交渉するかについてもコメントを控えた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・強行退院したトランプが直面する「ウィズ・コロナ選挙戦」の難題
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ



20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ、中国製EVの関税引き上げ検討=BBG

ビジネス

アングル:海外勢、4月もアジア債券売り越し ドル高

ビジネス

ヘッジファンド大手、4月も好成績 株式波乱でボラ活

ワールド

トランプ氏、銃団体の支持獲得 バイデン氏の規制撤廃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中