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中国共産党

アリババ攻撃はほんの序章......習政権の統制強化は危険な賭け

BOOSTING SOE MONOPOLIES

2021年1月12日(火)19時30分
ミンシン・ペイ(本誌コラムニスト、クレアモント・マッケンナ大学教授)

だが、中国の民間部門トップが体制の真のインサイダーになることはない。共産党にとって彼らは単に、党の正当な所有物である富の一時的な管理者だ。

馬は昨年10月末以降、公の場から姿を消している。批判派に言わせれば、今回の一件は過去の発言や事業慣行が招いた当然の報いかもしれない。

とはいえ、規制当局の追及がアリババで終わる可能性は低い。標的にされているのは民間部門そのものだ。これは中国の経済的繁栄の行方、そして共産党自体にとって重大な意味を持つ。

数々の問題はあっても、民間企業は中国経済の最も活力あるプレーヤーだ。民間企業だけを取り締まれば、民間部門の信頼は低下し、中国経済は生産性も革新性も効率性も下がるだろう。GDP成長率が低迷し、繁栄を約束することで成り立ってきた一党支配体制の正統性はむしばまれるはずだ。

経済への統制を強化して民間部門を支配すれば、短期的に共産党の政治的安定を強化できるという習政権の判断はたぶん正しい。だが長期的に見れば、「独占禁止」の最大の犠牲者は、規制によって守ろうとしている独占状態、すなわち共産党が握る政治権力そのものかもしれない。

©Project Syndicate

<本誌2021年1月19日号掲載>

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