最新記事

個人情報

ピザの注文から出願大学まで、フェイスブックが僕について集めていた全情報

Facebook Breach Victim Shares Video of FB Following Him 'All Over' Internet

2021年4月13日(火)18時19分
ローレン・ギエラ
米連邦下院小委員会の公聴会で証言するザッカーバーグ(2021年3月25日)

ネットに流出した個人情報にはザッカーバーグの電話番号も含まれていた U.S. House of Representatives Energy and Commerce Committee/ Reuters

<フェイスブックの5億人超のデータ漏洩の被害者の1人だった大学生が、自分についてフェイスブックが持っていた情報を入手し、ツイッターで公開した。警告のためだ>

米フェイスブックから5億3000万人あまりのユーザーの個人情報が流出したという4月頭のニュースを受けて、アメリカ人大学生のザマーン・クレシは、フェイスブックが自分について具体的にどのようなデータを集めていたのかを調べることを決意した。

そして4月11日、「驚きはしないが、フェイスブックがインターネット上の至るところで自分のことをつけ回していることが分かった」とツイッターに投稿。自分のコンピューターにダウンロードしたファイルの画面記録や、特定のウェブサイトがフェイスブックに渡した情報の一部を動画にして添付した。

彼は、フェイスブックの役割を批判・議論するために2020年に結成された「The Real Facebook Oversight Board(真のフェイスブック監査審査会)」に所属している。フェイスブック社内の形ばかりの「監査審査会」に対抗して、イギリスの権利擁護団体「ザ・シティズンズ」が立ち上げたプロジェクトだ。


ザ・シティズンズのメンバーで調査報道ジャーナリストのキャロル・キャッドウォラダーは、2018年に「フェイスブック&ケンブリッジ・アナリティカ事件(フェイスブックが収集するユーザーデータの一部がケンブリッジ・アナリティカを通じて政治的に利用されていた事件、参考記事参照)」を報じたことでも知られている。


過去3年間に訪れたウェブサイトを記録

クレシは「真の審査会」のメンバーとして、以前からフェイスブックのデータ流出問題について詳しく調べていたと本誌に語った。そして、データ漏えい確認サイト「Have I Been Pwned(HIBP)」の検索機能で自分のデータが流出していたことを発見したという。

「フェイスブックが、ユーザーがフェイスブックの外でもユーザーデータを収集していることは知っていた。それが心配な点だった」とクレシは言う。

彼はフェイスブックから流出した自分のデータを流出先のサイトからダウンロード。連絡先情報やメッセージをはじめとする「何十もの」フォルダやサブフォルダに情報が記録されていることを発見した。「フェイスブック外のアクティビティ」のフォルダには、彼が過去3年間で訪れたウェブサイトが記録されていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米5月ミシガン大消費者信頼感67.4に低下、インフ

ビジネス

米金融政策、十分に制約的でない可能性=ダラス連銀総

ビジネス

6月利下げへの過度な期待は「賢明でない」=英中銀ピ

ビジネス

グローバル株に資金流入、1カ月半ぶり大きさ=週間デ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 3

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加支援で供与の可能性

  • 4

    過去30年、乗客の荷物を1つも紛失したことがない奇跡…

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 9

    「一番マシ」な政党だったはずが...一党長期政権支配…

  • 10

    「妻の行動で国民に心配かけたことを謝罪」 韓国ユン…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中