最新記事

サイバー攻撃

パイプライン攻撃のダークサイド、「次は標的を選ぶ」と謝罪

Colonial Pipeline Hackers, DarkSide, Apologize, Say Goal 'Is to Make Money'

2021年5月12日(水)22時17分
サマンサ・ロック

ホワイトハウスにおける10日の記者会見で、バイデンはエネルギー省が「パイプラインに関わるシステムを復旧し、可能な限り迅速かつ安全にフル稼働ができる状態に戻すために、コロニアル社と直接協力して、取り組んでいる」と述べた。

「コロニアル社がどれだけ早くパイプラインを復旧させられるかによって、政府として追加策を取る用意がある」と付け加えた。

バイデンはまた、この攻撃をロシア政府と結びつける証拠はないものの、ランサムウェアがロシアで開発された可能性を示す証拠がいくつかあり、ロシア当局も対処する責任がある、と述べた。

ランサムウエア攻撃では通常、ハッカーがコンピュータシステムを支配してウイルスを仕込み、標的とするシステムのプロセスを停止させてデータを暗号化し、解除をする見返りに金銭を要求する。

「私はプーチン大統領と会談するつもりだ。今のところ、アメリカの情報機関からロシアの関与を示す証拠はあがっていない」とバイデンは語った。「だが、ハッカーが使用したランサムウエアがロシアに存在するという証拠はある。ロシアにはこの攻撃に対処する一定の責任がある」

多くのサイバーセキュリティの専門家は、ダークサイドはロシア人で構成されている可能性があると推測している。彼らのランサムウエアがロシア語を使うコンピュータシステムは攻撃しないからだ。

操業再開をめざして

コロニアル社の主要パイプラインは9日夜の時点でまだ停止していたが、一部の補助パイプラインは稼働している。同社は「15~16日までに実質的に操業を再開するという目標」をめざしていると発表した。

「パイプラインの操業の安全維持に加えて、当社のシステムを安全にオンラインに戻すことが、最優先事項になっている」と、コロニアル社は9日に述べた。

「コロニアル・パイプラインの職員は過去48時間にわたって、パイプラインの安全と危機管理をさらに徹底するために追加の予防措置を講じている」

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中