最新記事

中国

自己責任同意書:五輪選手は手術台への階段を上るのか

2021年5月31日(月)17時26分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)
IOCのバッハ会長

コロナで選手が死んでも自己責任、とするIOCのバッハ会長  Kazuhiro Nogi/REUTERS

米Yahoo!Sportsが、東京五輪に出場する選手に「コロナ感染で死んでも自己責任です」ということを誓わせる「リスク同意書」をIOCが求めていると報じ衝撃が走った。中国のネットでも商業主義だという非難が上がっている。

米「Yahoo!Sports」が東京五輪「リスク同意書」を入手

5月29日、米「Yahoo!Sports」のヘンリー・ブッシュネル記者が"Olympians must sign waiver assuming COVID-19 risk to compete in Tokyo Games"という記事を発表した。このタイトルの直訳は「オリンピック選手が東京大会に出場するためには、COVID-19(コロナ)のリスクを想定した(権利)放棄書に署名しなければならない」となるが、意味は「オリンピック選手が、もし東京大会に参加したいと思うなら、まずはコロナ感染あるいはコロナによって死亡するようなことがあったとしても、それは自己責任であることを誓う同意書にサインしなければならない」ということになる。この「権利放棄書」は言うならば「命の(責任を問う)権利放棄書」に等しい。

なぜなら、同意書には以下のような文言があるからだ。

―― I agree that I participate in the Games at my own risk and own responsibility, including any impact on my participation to and/or performance in the Games, serious bodily injury or even death raised by the potential exposure to health hazards such the transmission of COVID-19 and other infectious disease or extreme heat conditions while attending the Games."

(私は、「本大会の競技に参加することによって受ける影響、COVID-19やその他の感染症の伝染などの健康上の危険にさらされる可能性や、本大会参加中の猛暑などによって引き起こされる重篤な身体的傷害、さらには死亡をさえ含め、自分自身のリスクと責任において本大会に参加すること」に同意します。)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

3月実質消費支出、前年比-1.2%=総務省

ビジネス

中国EVジーカーの米IPO価格はレンジ上限、4.4

ワールド

米の武器供給停止は誤ったメッセージ、駐米イスラエル

ビジネス

カナダ金融システム、金利上昇対応と資産価格調整がリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 3

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 4

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 5

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中