最新記事

エンゼルス

<裁判>大谷元同僚スキャッグスが薬物死したのはエンゼルスのせい──遺族

Court Docs: Ex-Angels Staffer Ran Drug Operation in Clubhouse Before Pitcher's Death

2021年8月25日(水)18時38分
ジョン・ジャクソン
大谷翔平

試合前に行われたスキャッグスの追悼セレモニーでの大谷翔平  MLB/YouTube

<大谷翔平とも仲が良かったスキャッグス投手。その彼が急死したのは、薬物依存症の球団職員が選手相手に麻薬をさばいていたからだったと、連邦検事は主張する>

2021年8月20日にテキサス州フォートワースで提出された新たな法廷文書で連邦検事が主張するところによれば、メジャーリーグ(MLB)の「ロサンゼルス・エンゼルス」の元広報部長エリック・ケイは、2019年に薬物の過剰摂取で死亡した投手のタイラー・スキャッグスのほか、少なくともあと5名の選手に違法薬物を提供していた可能性がある。

スキャッグスが薬物の過剰摂取で死亡した2019年の事件の裁判が、10月4日に始まる。ケイは2020年10月、スキャッグスの死につながった合成オピオイドのフェンタニルを調達した罪2件に関して、テキサス州大陪審によって起訴されたが、無罪を主張している。

最新の法廷文書によると検察は、ケイからオキシコドン(オピオイド系の別の規制薬物)を買ったと主張する5名の選手に証言させる予定だという。選手の氏名は明かされていないが、8月20日に提出された書類では、ケイが2017年以降、エンゼルスの選手たちに「オキシコドンなどの規制薬物」を提供していたと述べられている。

ロサンゼルス・タイムズ紙の報道によれば、5人はいずれも進んで証言台に立ち、ケイは、選手たちが使用したオキシコドンの「唯一の供給源」だったと証言するつもりだという。

ケイが死に至る薬物を届けた

検察側は提出書類のなかで、証人の証言は、ケイとスキャッグスのあいだで交わされたテキストメッセージによって裏づけられると述べている。また、ケイが選手に薬物を提供していた動機は、ひとつには入手した薬物の一部を自身でも使用するためだったという。「それが(薬物を)配る状況および背景を説明している」と、その法廷文書には書かれている。

スポーツ界の法的問題を扱うサイト「リーグ・オブ・ジャスティス」のエイミー・ダッシュも、あるドラッグディーラーが2019年6月30日にエンゼル・スタジアムでケイに偽造医薬品を渡したことを示す証拠を当局が握っているようだと伝えている。

ダッシュの記事によれば、6月30日にケイが薬物を入手したあと、エンゼルスはテキサス・レンジャーズとの試合のためにテキサスに向けて出発した。ケイは真夜中に、問題の薬をテキサス州サウスレイクにあるホテル「サウスレイク・タウンスクエア・ヒルトン」のスキャッグスの部屋に届けた。その後、スキャッグスはホテルの部屋で、薬物過剰摂取によって死亡しているところを発見された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ休戦合意に向けた取り組み、振り出しに戻る=ハマ

ビジネス

米金融政策は「引き締め的」、物価下押し圧力に=シカ

ビジネス

マクドナルド、米国内で5ドルのセットメニュー開始か

ビジネス

テスラ、急速充電ネットワーク拡大に5億ドル投資へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 3

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加支援で供与の可能性

  • 4

    過去30年、乗客の荷物を1つも紛失したことがない奇跡…

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 9

    「一番マシ」な政党だったはずが...一党長期政権支配…

  • 10

    「妻の行動で国民に心配かけたことを謝罪」 韓国ユン…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中