最新記事

パンデミック

新型コロナ感染第1号、中国・武漢の海鮮市場で海産物売りの女性=米研究

2021年11月19日(金)17時20分
中国・武漢市にある海鮮市場

新型コロナウイルスの最初の感染者は中国・武漢市にある市場の売り子で、市場とは無関係と思われる会計士ではなかった──。米アリゾナ大学で生態学・進化生物学の責任者を務めるマイケル・ウォロビー氏が、18日に出版された学術誌「サイエンス」に掲載した論文でこうした研究結果を示した。写真は武漢の海鮮市場、1月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)

新型コロナウイルスの最初の感染者は中国・武漢市にある市場の売り子で、市場とは無関係と思われる会計士ではなかった──。米アリゾナ大学で生態学・進化生物学の責任者を務めるマイケル・ウォロビー氏が、18日に公表された解説(訂正)でこうした研究結果を示した。

ウイルスの起源は依然として不明で、米中間の大きな緊張要因となっている。

解説によると、新型コロナの最初の感染者と広く考えられていた会計士の男性は最初の症状が現れたのは12月16日と報告しており、当初知られていたよりも数日遅かった。

この混乱は、男性が同月8日に歯に問題を抱えていたことが原因だった。また、この感染は研究所からウイルスが流出したのではないかという憶測を呼ぶきっかけになったという。

解説は「彼の症状が現れたのは『華南市場』の労働者に複数の症例が発生した後で、12月11日に発症した市場の海産物売りの女性が最も早い感染者だ」と指摘。初期の有症者のほとんどは同市場、特にタヌキが檻に入れられていた西側部分に関連しており、パンデミック(世界的大流行)の起源が生きた動物の市場であることを示す強力な証拠だとしている。

*英文の訂正により、第1段落の「18日に出版された学術誌『サイエンス』に掲載した論文」を「18日に公表された解説」に訂正し、文中の「論文」を「解説」に修正します

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノババックス、サノフィとコロナワクチンのライセンス

ビジネス

中国高級EVのジーカー、米上場初日は約35%急騰

ワールド

トランプ氏、ヘイリー氏を副大統領候補に検討との報道

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、3週連続減少=ベーカー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナの水上攻撃ドローン「マグラV5」がロシア…

  • 9

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中