最新記事

中東

イラン、ロケット搭載した衛星の軌道投入に失敗 米独仏は懸念表明

2022年1月1日(土)11時16分
イランが2021年12月30日に打ち上げたロケット

イラン国防省の報道官は前日にロケットで打ち上げた3つの実験装置を軌道に乗せることができなかったと述べた。写真は2021年12月30日に打ち上げられたロケット(2022年 ロイター)

イラン国防省の報道官は31日、前日にロケットで打ち上げた3つの実験装置を軌道に乗せることができなかったと述べた。

同報道官は国営テレビの番組で「実験装置が軌道に乗るためには、毎秒7600メートル以上の速度が必要だ。ロケットの速度は7350メートルだった」と発言した。

イラン国防省は30日、人工衛星を搭載するロケットの打ち上げに成功したと発表していた。軌道に達したかどうかは明らかにしなかったが、同省報道官はこれが人工衛星を軌道に乗せるための実験であることを示唆していた。

米国はイランの宇宙開発計画に懸念を示しており、ドイツ外交筋も30日、ロケット打ち上げをやめるようイランに要請。31日にはフランスも同調し、イラン核合意違反だとして遺憾の意を表明した。

一方、イラン外務省は、米独仏からの批判を一蹴。「航空宇宙分野を含む科学研究の進展はイラン国民の譲れない権利であり、こうした干渉は同分野での進歩を目指すイラン国民の決意を損なうものではない」との声明を発表した。

イラン政府は、宇宙開発が弾道ミサイル開発の隠れ蓑であることや、イラン核合意違反であることを否定している。

2015年のイラン核合意では、イランに対し弾道ミサイルの開発を最長8年間は控えるよう「要請」している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:DVによる経済損失、GDPの1─2%も 

ワールド

イスラエルは民間人保護の「信頼できる計画」を、米国

ワールド

ロシア大統領、ショイグ国防相を交代 後任にベロウソ

ワールド

アフガニスタン北部で洪水、315人死亡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 10

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中