最新記事

ウクライナ情勢

プーチン、併合宣言したウクライナ4州に「戒厳令」

2022年10月20日(木)10時21分
ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領は併合宣言をしたウクライナ東部・南部4州に「戒厳令」を導入すると明らかにした。19日撮影(2022年 ロイター/Sputnik/Sergey Ilyin/Kremlin via REUTERS)

ロシアプーチン大統領は19日、併合宣言をしたウクライナ東部・南部4州に「戒厳令」を導入すると明らかにした。

テレビ放映された安全保障会議で大統領は、これらの地域での戦力強化に向けミシュスティン首相の下に特別調整評議会を設置するよう政府に指示した。

大統領府は、2014年に併合したクリミアを含むウクライナへの隣接8地域で「経済動員」を発令、これらの地域からの移動を制限するとした。

プーチン大統領は今回指示した措置によって「特別軍事作戦」支援に向け、経済、産業、生産の安定性が高まると指摘。専門の治安機関だけでなく「全体の国家行政システム」を整備する必要があるとした。

また、ロシアの80を超える全地域の指導者に対し、重要施設の保護、治安の維持、戦力支援に向けた増産などの権限を追加で付与した。

ただ、新たな措置によってロシアの軍事的立場が強化される効果やそのスピード、また世論に与える影響などは不明。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は、プーチン氏の4州に対する「戒厳令」発令について「ウクライナの資産の略奪を疑似的に合法化するもの」と非難。「ウクライナにとって何も変わらない。引き続き領土の奪還を進める」とツイッターに投稿した。

米国務省のパテル副報道官は定例記者会見で「ロシアがウクライナ4州で支配権を行使しようと必死の戦術に訴えていることは、驚くべきことではない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、超長期特別国債1兆元を発行へ 景気支援へ17

ワールド

ロシア新国防相に起用のベロウソフ氏、兵士のケア改善

ワールド

極右AfDの「潜在的過激派」分類は相当、独高裁が下

ワールド

フィリピン、南シナ海で警備強化へ 中国の人工島建設
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中