最新記事
台湾

台湾で震度6強の地震、9人死亡・800人以上負傷 原発は影響なし、台北で余震50回以上

2024年4月3日(水)21時51分
台湾 地震

4月3日午前、台湾沖でマグニチュード(M)7.2の強い地震があり、台北市内の複数の地域で停電が発生したほか、震源地に近い東部花蓮県で建物が倒壊し、複数人が閉じ込められたとの情報もある。写真は同県で、建物の倒壊現場で作業する消防士ら。台湾消防当局の提供写真(2024年 ロイター)

台湾で3日午前、東部沖を震源とするマグニチュード(M)7.2の強い地震が発生した。震源に近い東部の花蓮では7段階中2番目に強い「震度6強」を記録。当局は9人の死亡を確認し、821人の負傷者が出ていると明らかにした。

台湾中央気象局によると、地震は午前7時58分(日本時間8時58分)に台湾東海岸沖で発生。震源の深さは15.5キロだった。

国営メディアは、台湾では過去25年間で最も強い地震だったと報じた。

消防当局によると、花蓮では77人がトンネルや倒壊した建物に閉じ込められ、救出活動が行われている。このうち約60人は花蓮北部のトンネルに閉じ込められ、●ドイツ人2人が別のトンネルに閉じ込められたという。地震による土砂崩れも起きている。

政府は負傷者の数を821人と発表した。

●来月就任予定の頼清徳次期総統は花蓮を訪れ、「救助が最優先だ」とし、同地域への鉄道は4日に再開すると語った。

●台湾空軍は、花蓮の基地にあったF16戦闘機6機が地震でやや損傷したが、すぐに任務に復帰する見込みだと発表した。

台北市ではすでに50回以上の余震を観測した。

電力会社タイパワーによると、全土で発生していた停電はほぼ解消した。2カ所の原子力発電所は地震の影響を受けていないとした。

高速鉄道運営会社は、列車の損傷や負傷者は報告されていないとしたが、検査のため列車が遅延する可能性があると述べた。

半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の工場がある南部の台南サイエンスパークは、各社の操業に地震の影響はないと述べた。

TSMCは、自社の安全対応規定に従い一部工場で従業員の退避措置を取った。その後、全員の無事を確認し、退避した従業員は職場に戻りつつあるという。

中国国営メディアは、台湾に近い福建省で揺れを感じたと報じた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240514issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月14日号(5月8日発売)は「岸田のホンネ」特集。金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口……岸田文雄首相が本誌単独取材で語った「転換点の日本」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国製EVの氾濫阻止へ、欧州委員長が措置必要と表明

ワールド

ジョージア、デモ主催者を非難 「暴力で権力奪取画策

ビジネス

円安、輸入物価落ち着くとの前提弱める可能性=植田日

ビジネス

中国、リチウム電池生産能力の拡大抑制へ 国際市場の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 10

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中